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ファーウェイ通信 第175回

平面振動板ドライバー、ANC、デビアレによるチューニングと注目要素多数

ファーウェイが送り出すフラグシップの完全ワイヤレスイヤホン 「HUAWEI FreeBuds Pro 2」の実力を見る

2022年07月29日 13時30分更新

文● 加藤肇、山本敦、ASCII 編集● ASCII

提供: ファーウェイ・ジャパン

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 HUAWEI FreeBuds Pro 2は、ファーウェイによる左右独立型完全ワイヤレスイヤホンの最新フラグシップモデル。音の心臓部であるドライバーユニットは、他にもあまり類を見ない新開発の平面振動板ドライバーとダイナミックドライバーによるデュアル方式としている。前機種からさらに磨きがかかったサウンドに注目してみたい。

 また、独自の機械学習により、ユーザーがイヤホンを使う環境のノイズを自動判別して最適な消音バランスに調整するダイナミックノイズキャンセリング機能の効果も興味深い。本稿では、実機で試したインプレッションを報告する。

高い技術力を象徴するデュアルドライバーユニット

 具体的に音質を評価する前に、高い技術力を象徴するデュアルドライバーユニットに触れておこう。HUAWEI FreeBuds Pro 2には、Huawei Audio Labが最先端の技術を集めて開発したデュアルドライバーユニットが搭載されている。このドライバーが本機のキャラクターを突出させている。

 デュアルドライバーを構成するのは高音域用の平面振動板型ドライバーと、中低域用に設けた11mm口径のダイナミック型ドライバーだ。

 前者は、その名のとおりにフラットな平面形状の振動板を搭載している。一般的なドーム型のダイナミック型ドライバーに比べて、フラット形状の振動板全面を均質に動かすとスムーズで歪みのない音が鳴らせる。

小型の平面振動板ドライバーを採用している

 従来はサイズの大きなヘッドホンの振動板に用いる技術とされてきたが、昨今の技術革新によりイヤホンにも搭載できるマイクロサイズの平面振動板が開発され、高級モデルを中心に採用するイヤホンの数が徐々に増えてきた。ただ、HUAWEI FreeBuds Pro 2のようにコストパフォーマンスの高い完全ワイヤレスイヤホンに、平面振動板型とダイナミック型によるデュアル方式のドライバーが載ったケースは業界初となる(6月22日時点、ファーウェイ調べ。主要メーカーの完全ワイヤレス市場において)。

こちらはダイナミックドライバーの構成図

 HUAWEI FreeBuds Pro 2の場合、平面振動板型とダイナミック型の振動板両方に複数のマグネットを搭載して、振動板を強力に動かせるドライバー設計としたところにも注目したい。ドライバーにおける、言わば“足腰”を強化したことで入力信号に対する応答精度が確保される。低音域は14Hz、超高音域は48kHzまでに渡る「ハイレゾ」の再生帯域をカバーするドライバーが、持てる性能を存分に発揮できるようにファーウェイは先端技術を惜しみなく投入したわけだ。

音のチューニングを監修したフランスのデビアレとは

 また、サウンドチューニングに、フランスの高級オーディオブランドであるDevialet(デビアレ)が加わったこともまた興味深い。

 デビアレはアクティブスピーカーの「Phantom」、アンプを内蔵するネットワークオーディオプレーヤー「Expert Pro」など、オーディオマニア垂涎の多種多彩なコンポーネントを展開してきた。アーティスティックなプロダクトデザインと、最先端の技術を採り入れることにいつも貪欲な姿勢はライバルのブランドからも一目置かれている。

HUAWEI FreeBuds Pro 2のケースにもDevialetのロゴが

 筆者もこれまでにデビアレのコンポーネントをいくつか試聴してきた。同社の音づくりはオーディオファイルに「デビアレの理想」を押しつけるのではなく、アーティストが作品に込めた思いをありのまま引き出す、ソースへの忠実性に特長があると筆者は考えている。HUAWEI FreeBuds Pro 2にもデビアレによる音づくりの思想が活きているのだろうか。いよいよリスニングレポートに移りたいと思う。

上質を極めたハイレゾワイヤレス再生を聴く

 まずは、ファーウェイの「HUAWEI P40 Pro 5G」にHUAWEI FreeBuds Pro 2を接続して聴いた。LDACによるハイレゾワイヤレス再生がチェックできる組み合わせだ。LDACはAndroid系のハイエンドスマホが多く利用できる、ハイレゾワイヤレス対応のBluetoothオーディオコーデックだ。ソニーの“ウォークマン”など、Bluetooth対応のハイレゾ音楽プレーヤーにもLDACに対応するモデルが増えている。なお、実際にLDACの機能を利用するには、スマホ用アプリ「HUAWEI AI Life」(iOS/Androidともに対応)から設定をオンにする。

LDAC対応のスマホであれば、「HUAWEI AI Life」から設定をオンにできる。LDAC再生音質は「音質重視」を選ぶとベストなサウンド体験が味わえる。音切れやノイズの混入が感じられる場合は「バランス重視」を選ぼう

 今回はmoraから購入した96kHz/24bitのハイレゾ音源を中心に試聴した。

 上原ひろみのアルバム「SPARK」のタイトル曲『SPARK』では、メロディーのあふれる躍動感が魅力的だ。HUAWEI FreeBuds Pro 2で聴くサウンドは驚くほどにきめ細かい。平面振動板ドライバーが再現するピアノの高音域はシルキーで艶っぽい。ドラムスのハイハット、シンバルの余韻は音の粒子までとても濃厚に感じられる。そして大口径のダイナミック型ドライバーがタイトでアタックの鋭い低音のリズムを豪快に鳴らし切る。

 ボーカル系の楽曲を聴くとHUAWEI FreeBuds Pro 2の持ち味が存分に発揮される。手嶌葵のアルバム「I Love Cinemas」から『La Vie En Rose』のリスニングでは、繊細なボーカルの声の質感、ニュアンスの変化を手に触れながら確かめているような不思議な時間を楽しんだ。このようにとても贅沢な音楽体験が味わえるイヤホンは数少ない。HUAWEI FreeBuds Pro 2を品定めする際には、ぜひボーカルが収録された曲を聴いて他のイヤホンとの「違い」を確かめてほしい。お気に入りの曲を聴くことができれば、なおわかりやすいと思う。

 iPhoneによるリスニングも試した。LDACによるハイレゾ再生には非対応だが、原音に忠実な再現力はHUAWEI P40 Pro 5Gによる試聴と変わらない。原音に忠実であることを狙ったバランスの良いサウンドだ。ファーウェイがデビアレと組んだメリットが存分に活きている。HUAWEI FreeBuds Pro 2ならば、様々なスマホや音楽プレーヤーが持つ「個性=音の違い」を発見できそうだ。

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