夏休みの長時間スマホはトラブルの気配!?
夏休みが始まったという学校も多いだろう。長期休暇中はスマホなどの利用時間が長くなり、トラブルも増える傾向にある。どのようなルールを決めたらよいのだろうか。NTTドコモモバイル社会研究所の調査(2022年7月)を見ていこう。
スマホ・ケータイを持たせている小中学生の親に「利用ルール」について聞いたところ、小1~小3では「スマホを使うのは決められた時間だけ(夜○○時まで、○時間以内など)」「食事中にスマホを利用しない」「アプリをダウンロードするときは保護者に相談し、追加料金がかからないようにする」が多かった。
小4~小6では「面識のない人とは連絡や連絡先の交換をしない」が加わり、中1~中3ではさらに「個人情報や本人だと特定できる写真をネット上にアップしない」「LINE・Twitter・掲示板などで個人情報や友だちの悪口を書かない」などが増える。
つまり、低年齢では「利用場所・時間」に関することが多いが、年齢が上がると「個人情報・人とのつながり」に関する事項も増えていく。これは、年齢と共にSNSの利用時間も増えるため、SNS利用上のトラブルが増えるためだ。
「楽しくて」「友だち付き合いのため」に止められない子どもたち
親子でルールを決める必要がある理由の1つに、子どもたちがスマホを「使いすぎてしまう」ことが挙げられる。どの年代でも約6割以上が「使いすぎてしまう」と回答しており、特に中学生では88%が使いすぎてしまうと回答している。
使いすぎてしまう理由は、「楽しくてやめられないため」「暇つぶしのため」が上位だが、学年が上がると「友だち付き合いのため」「友だちや世間で話題となっていることを見逃したくないため」など、友人に関する項目が増える傾向にある。
SNSなどはいつもやり取りする相手がいるものだ。自分だけでは止めづらいものだが、友だちや友だちの保護者を巻き込んで「○時までにしよう」などと決めるとやめやすくなるので、ぜひ参考にしてほしい。
利用時間が長くなり生活リズムが崩れると、二学期が始まっても朝に起きられず、学校に行けないという子も出てくる。夏休みでも普段と大きく生活リズムを変えないようにするとよいだろう。スマホの利用時間やトラブルに気をつけながら夏休みを楽しんでほしい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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