北海道大学の研究チームは、結晶の中の分子が変形して、結晶同士が自由に連結・合体できる新しい「フォトニック分子列車」を世界で初めて開発した。この技術は、分子レベルで光伝達の方向を制御できることから、最新型の高速光コンピューターの回路設計への応用展開が期待される。
北海道大学の研究チームは、結晶の中の分子が変形して、結晶同士が自由に連結・合体できる新しい「フォトニック分子列車」を世界で初めて開発した。この技術は、分子レベルで光伝達の方向を制御できることから、最新型の高速光コンピューターの回路設計への応用展開が期待される。 今回開発したフォトニック分子列車は、強い化学結合で繋がれた結晶界面を形成するため、その中を光情報が高効率、かつ、分子のエネルギー準位に応じて方向性をもって伝達する。さらに、分子構造を自在に設計することにより、光波長(光の色)も自由に変えることができる。 非常に弱い相互作用の分子間力でつくられる分子結晶は、光電機能に優れた物質が多く、特性を分子の構造や配列によって自在に変化させられる。このため、従来の半導体結晶とは異なる新しい電子デバイス材料として注目されている。 研究成果は、2022年7月5日付けでネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)誌に掲載された。(中條)