6月11~12日、D1グランプリシリーズ第2戦・第3戦「OKUIBUKI DRIFT」が滋賀県・奥伊吹モーターパークで開催されました。開幕戦でニューマシンGR86にデビューウィンをはたしたTeam TOYO TIRES Driftの#88 川畑選手と、同じく単走優勝をはたした#66 藤野選手。ランキング1位と2位同士の様子をレポートします。
細かい部分が変更になった奥伊吹ラウンド
奥伊吹モーターパークは、関西最大級のスキー場である「グランスノー奥伊吹」が4月上旬~12月上旬まで開業するイベント会場。その中で最も広い駐車場である第4駐車場が戦いの舞台となります。D1グランプリが奥伊吹モーターパークで行なわれるようになったのは2020年から。昨年は4月と10月の2回実施されました。
コースレイアウトは例年と同じですが、コーナーの回転半径や通過指定エリア(ゾーン)が変更されました。併せて観客席のGスタンドは前へと移動し、よりコースに近いところでの観戦が楽しめるようになりました。プレスカメラマンとほぼ同じ場所から観覧できるので、多くの方がその席からクルマを撮っていました。なお、ほぼ同じ位置にいるプレスは、安全面からヘルメットの装着が義務付けられているのですが、一般の方は不要という……。
今回のD1奥伊吹は、コースとお客さまの距離が近いだけでなく、フェンスがないみたい。
— 栗原祥光 (@yosh_kurihara) June 11, 2022
カメラ好きな方には天国な場所でありまするよー#d1GPpic.twitter.com/pA4gCjnLPg
そんな奥伊吹ですが、2020年の開幕戦は、雨でしかもナイトドリフトという悪条件の中、川畑選手がGRスープラに初優勝をもたらした地でもあります。また、この時は藤野選手も3位に入りました。ですが以来、奥伊吹での優勝は遠ざかっており、開幕戦の勢いそのままに優勝したいところです。
【第2戦・単走】川畑選手6位、藤野選手11位で追走トーナメント進出へ
第2戦・単走は、朝から曇天模様の中で行われました。走行前の抽選の結果、藤野選手がAグループ、川畑選手はCグループからの出走に決定。まずは藤野選手の1本目。
104km/hからいったん壁側に頭を振ってからのドリフトでセクター1は角度が足らずとのことで18.9と伸びなかったものの、他の部分では綺麗なドリフトで得点を稼ぎます。ですがJ2区間でコースアウトしてしまい2点減点。これが響いて95.26で失敗。
2本目は侵入速度を107.76km/hへとアップ。ミスのない走りで97.11を出して、この時点で3位。この時点で96点台後半を出すと追走トーナメントへ進出できるボーダーラインになりそうという空気が会場に流れます。
川畑選手の1本目。111.72㎞/hまで加速すると、壁ギリギリから一気に振って旋回。ダイナミックな走りで点数が伸びたかと思いきや、97.54と思ったより伸びず。川畑選手も「自分がイイと思って走っていても、点数がイマイチ伸びない」と頭をかしげます。
続く2本目。98点台を狙いところです。ですがゾーン3でコースアウトしてしまい減点2が。結果96.2で失敗。結果、川畑選手は6位、藤野選手は11位で追走トーナメント進出を果たしました。
【第2戦・追走】ベスト16で同門対決!
川畑選手8位、藤野選手12位で追走を終える
単層と追走の間の昼休みに大雨が降り、路面は一転してフルウェットに。そして問題が起きてしまいました。なんとベスト16でいきなりTeam TOYO TIRES Drift同士が当たってしまったのです。川畑選手は「しょうがない。2人とも単走はダメだったんだから」とポツリ。藤野選手も「ベスト16で当たるというのは、予想外というか、当たりたくなかったですね」とボヤキ気味。
川畑選手先行の1本目。最初のストレートで川畑選手が少し引き離し、そのまま上手く逃げ切った格好に。川畑選手88点に対して、藤野選手は89点に後追いポイント3.5ということで、88対92.5という結果に。
入れ替えて藤野選手先行の2本目。川畑選手は常に寄せています。藤野選手87点の走りに対して、川畑選手は88点に5点の後追いポイントで逆転に成功。川畑選手がベスト8へコマを進めます。一方、藤野選手は12位で第2戦を終了。シリーズランキングポイント5を獲得しました。
川畑選手ベスト8の対戦相手は、#15の植尾選手(VALINO)。植尾選手先行の1本目。トリッキーな植尾選手に対して、川畑選手は絶妙なコントロールで後ろをつけます。ですが、植尾選手89点の走りに対して、川畑選手は85点に後追いポイント4.5。わずか0.5しかアドバンテージを得ることができませんでした。植尾選手の走りに合わせようとした川畑選手がだいぶDOSSの得点を落とした形です。
入れ替えての2本目。ストレートで一気に差を広げた川畑選手。綺麗な走りで90点を獲得した川畑選手。一方、植尾選手はハンドルの戻りがあったりして、かなり苦戦している様子。ですが、司会陣から「あの走りで?」と思わず声が漏れる92点を獲得したほか、さらに後追いポイント4点を加えて逆転に成功し、川畑選手の敗退が決定。一見おかしい判定に見えるのですが、これは計測機器(DOSS)の得点が取れる走りを植尾選手がしたということ。ともあれ川畑選手は6位で終わり、シリーズランキングポイント10点を獲得しました。
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