やっと新型コロナショックから脱して戻りつつあると思われていたグローバルでのスマートフォン市場。部材不足や世界情勢の悪化をうけて、2022年はマイナス成長に戻る見込みだ。そんな中で世界でサムスンが元気だ。
世界スマホ市場で24%のシェアとったサムスン
インドでもリードしていたシャオミに追いつく勢い
スマホ市場において、サムスンが好調だ。宿敵のアップルはもちろん、過去には同じAndroid勢であるファーウェイやシャオミに迫られても、サムスンはシェアを取り返してきた。Counterpointが発表した2022年4月の世界スマートフォン市場調査でサムスンは首位を堅守、シェア値は24%を獲得した。この数値は2017年4月の25%に続く最高値となった(https://www.counterpointresearch.com/samsung-reaches-highest-monthly-market-share-5-years/)。
この好調におけるポイントは2つある。
1つ目は、全体としてのスマホ市場は縮小していること。4月の売上高は前年同月比で8%縮小。その中でサムスンは同9%増加した。
2つ目は、サムスンのシェアトップは今年1月にアップルからトップの座を奪還して以来、3ヵ月連続ということだ。
製品としては、プレミアムライン「Galaxy S」シリーズ、ミッドレンジのAシリーズともに好調という。折りたたみモデルへの投資も実を結び始めているようだ。
地理的には、ラテンアメリカとインドでのプロモーションが奏功していること、ここにきて大きく縮小している中国市場での依存度が、同社は(幸か不幸か)低いことなどがあるようだ。なかでもインドは歴史的にシャオミが強く、人口規模が大きいことからも重要な市場だ。このインドでの1~3月期はシェア20%で、シャオミとの差を3ポイントにまで縮めている(前年同期は6ポイントの差)。4月単月ではトップを獲得した。
北米ではアップルがシェアを伸ばし、過半数に到達
LGの穴を埋めたモトローラ、NBAと提携したPixelも成長
北米では引き続きアップルが好調だ。1~3月期の出荷台数ベースのシェアで、アップルは51%のシェアを占めて堂々の1位。出荷台数は、前年同期比で19%増加している。2位のサムスンは、前年同期から1%増加して27%。両者の差は24ポイント。これは前年同期の17ポイント(アップル45%、サムスン28%)からさらに開いた格好となる。
北米市場でのポイントはLGの撤退。昨年の段階で発表されていたが、LGは北米で強かったことから、撤退のメリットを得るのはどこかが注目されていた。
Canalysのデータによると、LGの後釜となったのはモトローラブランドを持つレノボのようだ(https://www.canalys.com/newsroom/canalys-worldwide-smartphone-market-Q1-2021)。同社は1~3月期に前年同期比で56%増と大きく成長し、シェアは3位にランクイン。シェアでは10%を獲得している(前年同期は7%だった)。
見逃せないのが5位のグーグル。「Pixel」ブランドで展開するグーグルのスマートフォンは安定したポジションを確立しており、秋にはPixel 7が発売予定。北米ではNBAと提携しており、NBAの試合中継で必ず出てくる、Pixelのロゴ露出はかなりの効果があったのではないだろうか。
そのグーグルはシェア3%ながら、1年前と比較して380%の増加。北米では4位のTCL(シェア4%)の背中は見えている。
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