本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「AI技術で進化するコーディングツール」を再編集したものです。
AI開発ツールの未来 (日本) (https://mybuild.microsoft.com/en-US/sessions/36c4c2a2-75bd-43da-ad86-61f1f45ae876) Microsoft Buildセッションの要約と紹介された技術について、主観多めでまとめます。
要約
開発者のコーディングツールはAI技術(自然言語処理)の発展によって劇的に進化しています。
コーディングの自動化、自然言語→コードへの変換、チャットボットによるアシスタント機能などが実現し、コーディングにかかる時間が短縮されますよ。
Codexとは
Codexとは、自然言語をプログラミングコードに変換する言語モデルです。OpenAIが開発しています。(https://openai.com/blog/openai-codex/)
Githubで公開されているプログラミングコード数十億行を訓練データとしてGPT-3言語モデルをチューニングしており、プログラミングコード⇔自然言語の変換に特化したモデルとなっています。
このCodexの登場によって、私たちのコーディング事情は大きく変化していくそうです。
– 自然言語:日本語、英語のような人が日常で扱う言語
– GPT-3:まるで人間が書いたかのような文章を自動生成できる言語モデル(自然言語処理の最先端技術!すごい!)
CodexはPythonの処理を最も得意としていますが、JavaScript、Go、Perl、PHP、Ruby、Swift、TypeScriptなどを含む12以上の言語に対応しているようです。
それでは、Codexが私たちに与えてくれる恩恵を紹介していきます。
GitHub Copilotによるコーディングの自動化
「AIが勝手にコードを書いてくれる!」と巷で話題のGitHub CopilotはこのCodexをベースに開発されています。
関数名やコメントを入力するだけで、それに続くコードを自動生成してくれるというものです。
公式サイト (https://copilot.github.com/) の使用例では、関数を宣言しただけで中身のコードが自動生成されています。
生成されるコードは常に最良のものが得られるとは限りませんが、高速なコーディングを実現するための頼れる相棒となってくれることでしょう。
自然言語からコードへの変換
セッションでは、自然言語を入力としてモデリングソフトを操作するコードを生成し、 オブジェクトを生成したり、マテリアルやモーションを付与したりする例を実演していました。
さらに、ゲーム(マインクラフト)のCPUキャラクターをチャットのみを用いて指示を出すといった応用例なども紹介されていました。
チャットボットによるWeb上のコードサンプルの検索
セッションでは、チャットボットと対話し、実装したい処理のコードサンプルをネット上から検索してもらう例を実演していました。
また、コードの検索のほかに、用語の検索や楽曲の検索などにも対応しているようです。
GitHub Copilot、Codexの使用方法
現在GitHub CopilotとCodex(Azure OpenAI)は一部のユーザーのみが使用できる状態であり、全体には公開されていません。
使用するためには、
GitHub Copilotは公式サイト (https://copilot.github.com/)
CodexはAzure OpenAI Service (https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/cognitive-services/openai/overview)
から申請する必要があります。
おまけ
それでは、超絶強力なGPT-3の世界を体感するためにOpenAIのチャットボットで遊んでみましょう。(唐突)
最先端の自然言語処理技術に触れてみてください。
OpenAI Examplesのこちら(https://beta.openai.com/examples/default-chat) からチャットボットにアクセスできます。
早速話しかけてみると、物腰柔らかに返事をしてくれました。
好きなプログラミング言語について聞いてみると、「Pythonでのプログラミングは、とても簡潔で読みやすいので大好きです。」と理由まで添えて応えてくれます。まるで本物の人間と対話しているかのような錯覚に陥りますね。
次は筆者である私 Rento Yoshiharaをご存じか聞いてみます。
わァ……なかなか詳しくご存じのようですね。。ユーモアなのか…?学習したデータに似た名前の人物が居たのでしょうか…
最後にFIXERについて聞いてみると正解に近い回答が得られました。モデルの訓練に使われたデータだけでなく、Web上から情報を獲得してくる機能も備わっているように見えますね。
おまけ2
さらに、Create study notes(https://beta.openai.com/examples/default-study-notes)では、公開されている論文に基づいた回答が得られます。(多分)
対話の例をいくつか紹介します。
凄い通り越して怖…
いつかGPT-3がオープンソースで公開されたら私も遊んでみたいです。そのためにも強いPC買わないと…
まとめ
Microsoft Buildセッションの要約と、紹介されていた技術についてまとめました。
これらの技術が一般に普及すればコーディングへの意識も変わっていきそうです。夢が膨らみますね。
吉原 蓮人/FIXER
三重県在住、FIXERの新人エンジニアです
[転載元]
AI技術で進化するコーディングツール