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理研、アルツハイマー病治療薬開発に役立つモデルマウスを開発

2022年06月11日 06時24分更新

文● MIT Technology Review Japan

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理化学研究所、名古屋市立大学、名古屋大学、早稲田大学の研究グループは、アルツハイマー病の新規治療薬として期待される「βセクレターゼ阻害薬」の効果を正しく評価できるモデルマウスの開発に成功した。

理化学研究所、名古屋市立大学、名古屋大学、早稲田大学の研究グループは、アルツハイマー病の新規治療薬として期待される「βセクレターゼ阻害薬」の効果を正しく評価できるモデルマウスの開発に成功した。 従来は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)をコードするApp遺伝子に複数の家族性ADの原因遺伝子変異を導入したマウスを使っていた。ただ、アルツハイマーの「スウェーデン変異」は、APPからアミロイドβペプチド(Aβ)が産生される過程でβセクレターゼが切断する部位のそばのあるため、βセクレターゼ阻害薬の効果を正しく評価できなかった。 研究グループは遺伝子改変ツールのCRISPR-Cas9(クリスパー・キャスナイン)を使い、従来のモデルマウスからスウェーデン変異だけを取り除いた新しいモデルマウスを開発した。このマウスは、Aβの蓄積や、それに伴う神経炎症を再現しており、βセクレターゼ阻害薬の効果を正確に評価できるという。 研究成果は6月9日、サイエンス・アドバンシズ(Science Advances)誌にオンライン掲載された。開発したモデルマウスは今後、基礎研究や臨床研究での活用が期待できるとしている。

(笹田)

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