広島大学の研究チームは、食道がんの内視鏡画像から化学放射線療法の効果を予測する機械学習モデルを構築した。入力画像の前処理を工夫することで、予測精度を81%まで高めた。化学放射線療法を開始する前に治療効果を予測できれば、その後の手術が必要かどうかも予測できる。
広島大学の研究チームは、食道がんの内視鏡画像から化学放射線療法の効果を予測する機械学習モデルを構築した。入力画像の前処理を工夫することで、予測精度を81%まで高めた。化学放射線療法を開始する前に治療効果を予測できれば、その後の手術が必要かどうかも予測できる。 研究チームは、広島大学病院で化学放射線療法を受けた98例の内視鏡画像を16層の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)で訓練した。入力画像に加工を加えない場合、ラプラシアンフィルターをかけた場合、ソーベルフィルターをかけた場合、ウェーブレットフィルターをかけた場合の4通りで比較したところ、加工なしの場合は予測精度が64%、ラプラシアンフィルターで69%、ソーベルフィルターで71%、ウェーブレットフィルターで81%との結果を得た。 研究成果は4月、「英国放射線医学ジャーナル(The British Journal of Radiology)」誌に掲載された。今後は実際の臨床での使用に耐えられるよう、精度の向上を図っていくとしている。(笹田)