最高峰性能の小型マシン「Mac Studio」に新iPhone SE/iPad Air登場! 2022年春のApple Event 第41回
事実上現行最上位のMac! 「Mac Studio Ultra」の実力はMaxの2倍!?
2022年05月28日 12時00分更新
・フロントのポート仕様
すでに述べたようにMax搭載モデルとUltra搭載モデルの外観はまったく変わらない。ただし外から見えるポートには、形は同じながら仕様の違いが隠されているものがある。それは本体前面の2つのUSB-C形状のポートだ。
Max搭載モデルでは、これが最大10Gb/sの転送速度のUSB-Cポートなのに対し、Ultra搭載モデルでは、最大40GB/sと、4倍の転送速度を実現可能なThunderbolt 4ポートになっている。その隣にあるSDカードスロットは、いずれもSDXC(UHS-II)をサポートするもので、両者に違いはない。
Max搭載モデルでも背面には、Thunderbolt 4ポートを4つ備えているので、Ultra搭載モデルに比べてデータ転送能力が著しく劣るということはなく、十分な拡張性を備えていると言える。それでも、Ultra搭載モデルの方がさらに拡張性に優れているのは確かだ。
・冷却能力
そしてもう1つ、外から見ているだけでは気づかない違いがある。それは本体の重量だ。公称重量は、Max搭載モデルが2.7kgなのに対し、Ultra搭載モデルは3.6kgで、900gも重くなっている。いくらなんでも、M1 Maxチップに比べてM1 Ultraチップが1kg近くも重いなどということは考えられない。
両者を分解して確かめたわけではないが、この違いのほとんどの部分は、冷却機構の違いによるものと考えられる。チップの中身が2倍になっていることから、それぞれに最大負荷がかかった場合の発熱量も2倍となる。結論から言えば、この最大発熱量の違いに対処するために、Ultra搭載モデルでは2倍程度の冷却能力を持った空冷機構を内蔵していると考えられる。その違いが1kg近い重量の違いとなって表れているのだろう。
一般的なパソコンであれば、ファンを高速に回転させることによって一時的に冷却能力を上げて高負荷時に対処するようになっている。特にノートパソコンなどでは、空冷ファンの音でCPUの負荷を知ることができるほど、はっきりとした騒音が聞こえてくる。
しかし、Mac Studioでは高負荷時にも耳障りなファンノイズは、ほとんど聞こえてこない。もちろんどの程度の騒音を耳障りと感じるかについては個人差がある。当然ながらMac Studioもまったくの無音で運転できるわけではない。だが、ほとんどの人は、Mac Studioのファンノイズが気になるとは感じないはずだ。なぜなら、Mac Studioが発するノイズは、一般的な部屋の空調のファンの音よりも小さい。今回測定器で計測したわけではないが、Mac Studioのファンノイズは、ファンが回っていなくても聞こえてくるような、通気孔を空気が流れる音と同程度にしか感じられなかった。
ラフな表現になるが、試しに室温が22〜23度の環境で、ビデオデータのエンコードを1時間ほど連続して実行させてみたが、ファンノイズにはほとんど変化がなく、耳障りに感じられることはなかった。
高負荷時の静音運転は、Max搭載モデルにもUltra搭載モデルにも共通のMac Studioの優れた特長だ。ロジックボードだけならMac miniとほとんど変わらないはずの本体を、miniの3倍も高さのあるボディに収納しているのも、そのような極めて静粛性の高い空冷機構を実現するためなのだ。
ここで、念のために、M1搭載のMac miniも含めて、M1 Max、Ultra搭載のMac Studioのスペックを一覧表で比較しておこう。
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