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設立は“泥縄的”だったIPoE協議会 今はIPv6啓蒙の一端を担う

今だから話せるIPoE協議会設立の舞台裏 そしてIPv6普及に向けた役割とは?

文●大谷イビサ 編集●ASCII

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IPv4からIPv6への移行は起こるのか、そもそも起こらないのか?

大谷:IPoEを使うかどうかは別として、最終的にはIPv4からIPv6への移行が大きなテーマになると思うのですが、最後に今後の動向を含めて、コメントいただけますか?

鶴巻:いまIPv4アドレスが急騰しています。1年程前に1アドレスが25ドルだったのが、今は50ドル、下手したら65ドルくらいまで騰っています。IPv4のアドレスが高くなったら、移行するという話はあったのですが、残念ながら簡単に捨てられないのも事実。ただ、いつかは移転することすらできなくなるので、そういう意味ではいつまでビジネスを継続できるのかという観点でIPv6を選んでもらうことが重要だと思います。そこに到達するのに重要なのはコンテンツ事業者にIPv6を使ってもらう必要があります。地理情報も積極的に利用を広げて、コンテンツ事業者のIPv6利用促進に協議会として貢献できるといいなと思っています。

IPoE協議会 BBIX 鶴巻 悟氏

外山:先ほど鶴巻さんのお話しした通り、正直IPv4からv6への全面的な移行は半永久的に起こらないと考えています。それを前提に、たとえば機器やサービスの運用や検証を半永久的にIPv4・IPv6デュアルスタックで行ない続ける覚悟ならよいのですが、やはり負担は大きいと思うんですよね。だから、私がよく言っているのは世界でいっせいに「IPv4をやめる日」を決めてしまおうという話です。10年先は難しいけど、15年くらい先ならできるかもしれない。

大谷:でも、それくらいハードランディングは必要かもしれないですよね。石田さんはいかがお考えですか?

石田:やはりIPv4って品質が落ちている気がするんですよね。だから併存期間がダラダラ続きながらも、どこかのタイミングでデフォルトをIPv6にせざるを得ない時期が来ると思うんです。その意味では、私は若干楽観的です。

今のままのIPv4アドレスの価格上昇などの動きが継続するとIPv4はお金持ちしか使えなくなるし、後発の人たちはますます使いづらくなってくる。ゲーム会社の人たちもすごくがんばってNAT越えをやってますが、いつか必要な開発や検証のためのリソースがスレッシュホールドを超えて、「もうがんばらなくていいじゃん」という話になるのではないかと。そうなったときにコンテンツ事業者が慌てなくてよいようにするというのが、われわれの役割かと思っています。

 「来る、来る」と言われ、なかなか来なかったIPv6。そんな中、10年以上に渡って、IPoEという技術をもってIPv6の普及にかけてきたメンバー3人の言葉はやはり重かった。素晴らしいテクノロジーがあっても、世の中の多くの人にその意義を理解してもらい、市場に根付かせるのは難しいということを痛感した。この数年で一気にIPv6化が進んだとは言え、移行の道程は道半ば。今後もIPoE協議会の活動に期待したい。
 

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