路面の凹凸を拾うステアリング、実車さながらのペダルの重さ
乗り込んでみると、本物のコックピットに乗ったような気分になってくる。試乗機では伊スパルコ製のシートが装着されていたが、シートは、好みに応じてカスタマイズできる。ステアリングも同様だ。
ペダルの踏み心地もリアル。重さ(反発力)は変更することができ、実車の重さと揃えることで、より実際の体験に近いシミュレーションが可能になる。
試乗では、いくつかの車種をエミュレートして、静岡県のサーキット「富士スピードウェイ」を走行した。ちなみにコースも、車種も専用ソフトにふんだんにプリインストールされており、このコースは、アイロックが自社開発したものである。
まず驚いたのが、本物の車のように、路面の状態を反映した振動が手元に伝わってくる点。サーキットから外れて芝生や砂地を踏んでしまうと、ステアリングが効きにくくなり、操作も重くなる。この感触が非常にリアルで、順調に走行しているときはスムーズなのだが、悪路にステアリングが取られたり、意図しない急スピン時のキックバック(跳ね返り)が起きると、抑え込むのに相当な強い力が必要になる。
サーキットでの高速走行をしたことがない筆者は、試乗中に少なくとも10回以上、壁に激突してしまったが、「高速走行時にコントロールを失うと、ブレーキやステアリングはこういう反応を示すのか」と実体験のように感じることができた。