ソニーは5月19日、世界最小・最軽量をうたうノイズキャンセリング搭載の完全ワイヤレス型ヘッドホン「LinkBuds S(リンクバッズ エス)」を発表した。
耳を塞がない“ながら聴きイヤホン”として注目されたLinkBudsの新モデルとして発表されたLinkBuds S。
本製品の国内発表会では、製品紹介とともに、この製品から広がる新たなサービスやライフスタイルが提案された。
シーンに応じて“ながら聴き”or普段使いを切り替える、常時装着というライフスタイルの提案
「リアルとオンラインを繋ぐ新しい音体験をパートナーと共に共創し、常時装着という新しいライフスタイルを提案する」がコンセプトとなっている本製品。
一日中使い続けられるというライフスタイルに対応するため、イヤホン本体は小型で軽量、装着感も快適な上、従来のLinkBudsにはないノイズキャンセリング機能やハイレゾ音源に対応している。
“ながら聴き”が特徴のシリーズなのに、なぜノイズキャンセリング機能が……? と思ったのだが、LinkBuds Sは没入感と“ながら聴き”体験をワンタップで切り替えられる仕様となっていた。
つまりLinkBudsの“ながら聴き”しかできないという欠点を補完し、シーンに応じて、ながら聴きと普段使いを切り替えながら「両方」できるというのが本製品の大きな強みとなっている。
LinkBudsの製品登録者アンケートでは、ノイズキャンセリングを搭載してほしいなどの要望もあったようで、今回の新製品はその声を反映した形になっているように思える。
パートナー企業との連携で実現した新機能はまさに新たな「音体験」
また、発表会で多く語られたのが「パートナー企業との連携」だった。
新機能の「Auto Play」は、ながら聴きの多い世代である大学生の声も反映して開発していたという。
装着や歩行開始といったユーザーの行動の変わり目をセンシングし、連携している音楽サービスであるSpotifyや集中やリラックスを促す音楽アプリを提供するEndelのコンテンツを自動で再生したり、スマートフォンの通知を読み上げたりする。
実際に筆者も体験してみたが、自分が歩き出すといった行動をした直後や通話を終えた後などに、その時々にあった音楽が流れる仕組みとなっており、面白い機能だと感じた。
またソニーはパートナー企業のNianticとも音声AR領域協業し、視覚だけでなく、聴覚でもARゲームを楽しめるように開発を進めているという。
たとえば、LinkBuds Sを使って、Nianticの「Ingress」をプレイするとLinkBuds S本体に搭載されたSensorと立体音響技術によってプレイヤーの向いている方向に合わせて音声が届く新しい体験が楽しめるとしている。
このように、音楽を聴くということだけに留まらないのが、本製品のもう1つの特徴で、まさに「音体験」と形容されるのが、ぴったりの製品だと思う。
LinkBudsから正統進化を遂げた、イヤホンという枠に収まらないLinkBuds S!
はじめて本製品を見たとき、LinkBudsにあった象徴的な「穴」がなくなっていることに驚いたが、LinkBuds Sは、正統進化したのではないかと思う。
インカムのように使うこともできれば、イヤホンのように使うこともできる。また上述したAR体験をするためのガジェットとしても利用できる。
ただのイヤホンという枠に収まらないのが本製品で、今後、LinkBudsシリーズを起点として、さまざまなサービスが生まれてくるのでないかと思う。
発売は6月3日で、価格はオープンプライス(実売価格は2万6000円前後の見込み)となる。
なお、本製品はソニーストア 銀座、札幌、大阪、名古屋、福岡天神にて、5月19日から展示が開始される。実際に視聴体験もできるので興味のあるユーザーはいってみてはいかがだろうか?