車いすに乗ったまま通りやすい道、車いすユーザーが利用できる施設・設備など、スマホやタブレットで簡単に調べられる「WheeLog!」(ウィーログ)アプリをご存じだろうか。訪れた場所のバリアフリー情報を、アプリのユーザーがマップに書き込んでシェアすることもできる。
この「みんなでつくるバリアフリーマップ」が誕生した背景と、今後に向けた展望を一般社団法人WheeLogの代表理事である織田 友理子氏に聞いた。
誰でも無料で使えるバリアフリーマップApp
一般社団法人WheeLogは、2018年に織田氏が立ち上げた。日本全国のバリアフリーに関連する情報の収集と提供、調査研究を活動の柱とするほか、社会全体にバリアフリーに関わる理解を広く浸透させるためのイベントの企画・運営なども手がける。
「WheeLog!」アプリもローンチから5年目を迎えた。織田氏は「経済状況により、得られるバリアフリー情報の格差を生むべきではない」という信念から、アプリが多くのユーザーに使われるようになった今も「無料」で提供する方針を変えていない。
ユーザーが自らの意志により寄付を寄せる形で、「WheeLog!」アプリの発展と進化を支援することもできる。寄付はアプリ経由、またはWheeLogのWebサイトから受け付けており、額は一口1000円から。一般のサポーター、企業スポンサーから寄せられた支援はWheeLogが展開する各サービスのシステム開発、運営費用に役立てていると織田氏は話す。
代表者・織田友理子氏の挑戦
WheeLogの織田氏は遠位型ミオパチーという、難病とされる筋疾患を患う重度障害者であり、15年以上に渡り車いすに乗り生活している。
2014年ごろYouTubeに「車椅子ウォーカー」というタイトルのチャンネルを開設して、新幹線や飛行機の乗り方など、車いすに乗ったままアクティブな生活を楽しむためのノウハウを発信してきた。活動を続ける中、織田氏は「バリアフリー情報は片側方向ではなく、多くの人々が双方向に共有しながら活用するべき」と思い立ち、バリアフリー情報の交流型プラットフォームとして「WheeLog!」アプリの開発に一歩を踏み出した。
自身はテクノロジーに明るくないという織田氏の活動を、技術責任者として島根大学総合理工学研究科 助教の伊藤史人氏と、コミュニケーションロボット「OriHime」の生みの親であるオリィ研究所 共同創設者 代表取締役 CEOの吉藤健太朗氏が顧問としてバックアップしている。
この連載の記事
-
第7回
Apple
アップルCEOティム・クック氏がApp Storeの「日本発アプリ」を体験! 開発者コミュニティの成長に期待 -
第6回
Apple
もうすぐWWDC22、人気アプリのデベロッパーはどこに期待!? 視聴方法も紹介! -
第5回
Apple
iPhone新機能で部屋探し体験を向上「LIFULL HOME’S」が使いやすい理由 -
第4回
Apple
iPhone対応“自動文字起こし”アプリ「UDトーク」賢い使い方を開発者に聞いた -
第2回
Apple
世界最大規模のごみ拾いSNS「ピリカ」春のカンまつり開催中 -
第1回
Apple
アプリ経由でリアルに川を掃除!? 「FLOAT」の取組みがおもしろい - この連載の一覧へ