親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第168回
使い分けないと迷惑がかかる!?
SNSは中学卒業までにデビュー、Instagram垢は2つ以上が当たり前
2022年05月24日 09時00分更新
中学卒業までに8割がSNSデビュー済み
今どきの子どもたちは、いつ頃からSNSをどのように利用し始めるのだろうか。中学1年生から高校3年生を対象としたスタディプラスの「通学とスマートフォン・SNS利用に関するアンケート」(2022年5月)を見てみよう。
SNSを利用しているか聞いたところ、利用率は93.5%。SNSを利用し始めた時期は、1位が「中学1年生」で32.1%、2位は「小学校高学年」で24.6%、3位は「中学2年生」で15%となり、中学卒業までにSNSデビューする割合は83.8%と8割以上に上った。
利用し始めた目的は、1位が「リアルな友人との交流」、2位が「家族との連絡」など、身近な人とのコミュニケーション手段として使い始める傾向が見られた。
小学生などが利用し始める場合、家族との連絡用にLINEを入れることが多い。そこから徐々に友達との連絡やコミュニケーションのために利用することが増えていき、次第にInstagramやTwitter、TikTokなども使い始めていく。
投稿・交流するアカウントは複数が当たり前
中高生が現在使っているSNSについても聞いたところ、「LINE」が97.4%でトップ。続いて「YouTube」(92.6%)、「Instagram」(69.3%)、「Twitter」(52.5%)、「TikTok」(28%)の順だった。
アカウント数は、「YouTube」「TikTok」は1個のみが多数派だったが、「Instagram」は7割以上、「Twitter」は半数以上が複数アカウントを所有。「Instagram」では、2個以上アカウントを所有している割合が最も高かった。主に見るためのアカウントは1つだが、投稿したり交流したりするアカウントは複数アカウントを使い分けているのだ。
「本垢、裏垢、サブ垢、趣味垢、勉強垢を持っている」と、ある高校生は言う。投稿する内容と人間関係によって使い分けており、「使い分けないと迷惑がかかる。みんなに興味がない投稿を読ませると悪いし、自分も投稿しづらい。複垢なのは当たり前で、1つだとむしろ『なんで?』と思う」そうだ。
「アカウントを使い分けるなんて面倒だし水臭い気がする」という大人は少なくない。大人世代で複垢を使い分けることはまだまだ一般的とは言えない状態だが、中高生では当たり前となっている。中学生までにSNSデビューするSNSネイティブ世代の感覚は大人世代とは大きく異る。今後も、若者世代の事例をご紹介していきたい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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