設置場所を問わない設計でキャビネット内にも設置可能
ところでニューヨークの発表会では、テレビを置いたキャビネットの「棚の中」にRayが置かれていて驚かされた。と言うのも、上下左右、背面を囲まれたキャビネット内は、スピーカーには必ずついてまわる「回折」による音が反響を起こし、こもったようなアンバランスな音になってしまうからだ。
一般論で言えば、キャビネットの上に置くべきで、中に置いてしまうと音質が低下してしまう。しかし実際にはテレビ画面の下にサウンドバーが置かれることを好まないユーザーもいる。
Rayの音質設計を担当したサウンドマネージャーにこの点を突っ込むと「本来はそうだが、この製品は回折の影響が最小限になるように設計したんだ。その上、iPhoneがあれば部屋の定在波を抑えて低域の質を高めることができる。どんな部屋、置き方でも良い音が楽しめるように、意図して不利なセッティングにしたんだよ」と答えてくれた。なんという自信だろうか。
彼が言うとおり、キャビネット内に置かれていることを全く意識させない。価格の安さもあって、あまり設置環境を気しないユーザーも多いと予想されるが、このユーザー中心の発想は素晴らしい。
Roamにカラバリ、音声サービスは日本語対応未定
最後に昨年発売され、日本でソノスの認知を広げることに大きく寄与したRoamに追加された新色はOlive(オリーブグリーン)、Wave(オーシャンブルー)、Sunset(サンセットオレンジ)。これらはいずれも防塵・防滴設計で長時間のバッテリ駆動を実現できるRoamの特徴をイメージし、アウトドアでのアクティビティにインスピレーションを受けたものとのこと。価格はそのままの2万3800円だ。
一方、Alexaと共に利用できると言う音楽再生に特化したボイスコントロールのSONOS Voice Controlは英語から対応し、フランス語対応も近いというが、日本語対応はまだ未定。なお気分に合わせて様々な音楽を提供するため、SONOS Radioを運営し、多様な楽曲をユーザーにストリーミングする。
日本語対応の時期も決まってないという点は残念だが、今回はとりわけRayの「安いけど納得の音質」に感心した。納得感のあるサウンドバーは、それなり高価なものが多かったが、4万円を切る価格帯で安心して勧められるなら、値段の下がってきた50インチ以下の薄型テレビとのセットで購入する製品として売れることになりそうだ。