東北大学の研究チームは、塩分の摂取による高血圧から骨粗しょう症を発症する仕組みをマウスによる実験で解明した。高血圧は日本人に最も多い生活習慣病で、糖尿病などさまざまな合併症を引き起こす。骨折しやすくなる「骨粗しょう症」もその1つだがが、発症の仕組みは解明されていなかった。
東北大学の研究チームは、塩分の摂取による高血圧から骨粗しょう症を発症する仕組みをマウスによる実験で解明した。高血圧は日本人に最も多い生活習慣病で、糖尿病などさまざまな合併症を引き起こす。骨折しやすくなる「骨粗しょう症」もその1つだがが、発症の仕組みは解明されていなかった。 研究チームは塩分を摂取することによって血圧が上昇するマウス・モデルを作製。高血圧時に骨粗しょう症が発症することを確認した。このマウスを組織学的解析とマイクロCTによる解析で詳しく調べた結果、骨を吸収する破骨細胞が増加し、骨の質・量ともに低下していた。 さらに、破骨細胞を増加させる炎症性サイトカインであるTNF-αの血中濃度が上昇していることを発見。加えて、TNF-αが破骨細胞の形成に欠かせないサイトカインであるRANKLが発現する骨芽細胞にアンジオテンシンレセプターの発現が増加すること、アンジオテンシンⅡによる刺激で骨芽細胞からのRANKLの発現が増加して、破骨細胞が増加する仕組みを解明した。 研究成果は、4月4日、フロンティアーズ・イン・セル・アンド・デベロップメンタル・バイオロジー(Frontiers in Cell and Developmental Biology)誌に掲載された。今回の研究成果から、TNF-αを抑制する抗TNF-α治療の技術で骨粗しょう症を予防できる可能性があるという。(笹田)