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ゲーミングまでこなせる100Hz駆動&FreeSync仕様

USB PDとKVMに対応する29型の21:9ウルトラワイド液晶が3万円台!その実力は?

文●宮崎真一 編集● ジサトラユージ

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用途ごとのプリセットを6つ搭載
リフレッシュレートは100Hz

 OSDの操作は画面に向かって右側、ベゼル下部のボタンで行う。ボタンは右から順に、電源のオン/オフ、OSDメニュー表示、カーソル操作(2個)、映像ソースの切り替えとなる。前面から容易にアクセスでき、操作性は良好だ。

OSD操作ボタン自体は本体の右側下部にあるが、機能を示すアイコンは前面に表示している

 液晶パネルの画質に関して触れていくと、デフォルトが暖色設定のようで、全体的に黄色や赤色が強い印象。しかし、OSDの色設定から色温度を7500K、あるいは5800Kに変更できる。また、sRGBや冷色といった設定もあるので、ユーザーが自分好みに変えられる。輝度は250cd/m2で、コントラストは1000:1。色は鮮やかで明暗がくっきりとした印象を受ける。特に、自然の景観などを映した動画が映えるように見えた。

 また、OSDには「スタンダード」に「ゲーム」、「映画」、「ECO」、「FPS」、「RTS」と6つのプリセットがある。ユーザーの用途に合わせて選べば、簡単に明るさとコントラストを自動で設定できるというわけだ。さらに、「HDR 10」に対応しているのでHDR設定も選べる。

OSDの「輝度」タブのECOから各種プリセットを選択できる

 そのほか、眼精疲労の原因とも言われているブルーライト軽減機能を備え、5段階から軽減の程度を選べる。また、画面のフリッカー(ちらつき)を削減するフリッカーフリーに対応。ブラックレベルは100段階で調整でき、デフォルトは「50」だが1刻みで変更できる。

 ゲーミング向けの仕様についても紹介しておこう。まずはリフレッシュレートについてだが、安価なモデルはその大半が60Hzで、高くても75Hz程度だ。しかし、JN-IPS29WFHDR-C65Wは100Hzまで対応する。さすがに144Hzや240Hzといった高リフレッシュレート対応モデルには敵わないものの、ウルトラワイドでリフレッシュレート100Hzが利用できる点は、大きなアドバンテージと言えよう。ただし、応答速度はオーバードライブ時でも6ms。1ms以下に詰めたいFPSや格闘ゲームには正直物足りない。

 もちろん、先ほど触れたファイナルファンタジーXIVのようなMMORPGや、RTSなどのゲームなら100Hzでも十分快適だ。さらに、AMDのディスプレー同期技術である「AMD FreeSync」に対応している点も評価できる。Radeonシリーズを搭載したビデオカードのPCであれば、急激に視点を移動した時に生じるティアリング(映像のズレ)やスタッタリング(カクつき)といった映像の乱れを、AMD FreeSyncで抑えられるというわけだ。

AMD FreeSyncの設定はOSDの「その他」にある

AMD FreeSyncはOSDで「ON」にしてから、「Radeon Software」で有効にすると利用できる

 なお、JN-IPS29WFHDR-C65Wの消費電力は通常で21W以下、オーバードライブ動作時などは最大で27W以下と、このクラスの製品としては標準的。だが、ディスプレーを2台使用するよりも、本機1台のほうが電気代を節約できる可能性は高い。

電源供給は付属のACアダプター(24V×5A、120W)から行う

USBはType-A×2にType-B、Type-C
KVM機能やUSB PDに対応する

 最後は機能が豊富なインタフェースの話題で締めよう。映像入力端子はDisplayPort、HDMI、USB Type-Cの3系統を備える。DisplayPortのバージョンは「1.2」だが、解像度やリフレッシュレートを加味するとそれで十分ということなのだろう。

 HDMIは「2.0」に対応しているが、著作権保護技術の「HDCP」は「1.4」になる。4Kの映像作品などを再生するには、「2.2」以上の対応が必須なので注意しよう。とはいえ、そもそもJN-IPS29WFHDR-C65Wは2560×1080ドットまでしか対応していないので、普段それが問題になることはあまりないだろう。

 また、USB Type-CはUSB PDに対応しており、65Wまでの給電が行える。スマートフォンやノートPCなどをUSB Type-Cで接続すると充電できるうえ、対応機種であれば同時に映像出力も可能だ。ノートPCのサブディスプレーとして使う際にACアダプターや映像出力端子を別途接続しなくていいので、デスク周りがスッキリする。

各種端子は背面にあり、それぞれ下向き

 JN-IPS29WFHDR-C65WのUSB関連機能はUSB PDだけではない。なんとUSB Type-Aに接続したキーボードとマウスを、映像ソースとなるPC2台で共有できるKVM機能にも対応している。

 使い方を説明すると、まず1台目のPCをDisplayPort(もしくはHDMI)とUSB Type-Bポートで接続する。次に、USB Type-Cの映像出力をサポートしたノートPCなどを2台目のPCとして、USB Type-Cで接続する。

 最後に、マウスとキーボードをJN-IPS29WFHDR-C65WのUSB Type-Aに挿せば、2つのPCで共有できるようになる。あとは、左端のOSD操作用ボタンで映像入力ソースを切り替えれば、画面を表示しているほうのPCでマウスとキーボードが使えるというわけだ。

2台の機器で1組のマウスとキーボードを共有するKVM機能を搭載

 KVM機能では片方がUSB Type-C接続に限定されるため、USB Type-Cでの映像出力に対応している製品が必要になる。すべての環境で活かせるわけではない点は注意が必要だ。とはいえ、最近のノートPCはUSB Type-Cの映像出力に対応している製品が多い。また、スマートフォンをUSB Type-Cで接続して、PCのように使用することもできる。そうしたデバイスを接続するのであれば、JN-IPS29WFHDR-C65Wは十分魅力的な存在と言えよう。

ウルトラワイドでは貴重なIPS方式で
3万4980円という低価格が魅力

 そしてもちろん、JN-IPS29WFHDR-C65Wの直販価格が3万4980円と、コストパフォーマンスが非常に高い点も忘れてはならない。ディスプレーでは、発色が良く視野角が広いIPS方式のモデルを好むユーザーも多い。しかし、IPS方式でより安いモデルを選ぼうとすると、選択肢が少なくなってくる。

 その点、ウルトラワイドディスプレーになると、その選択肢はさらに狭まる。そういった状況で、JN-IPS29WFHDR-C65Wの4万円を大きく割る価格設定はかなり魅力的で、食指が動く人も多いのではないだろうか。

 机のスペースを広く確保でき、リモートワークやゲームなど幅広く活用したいと考えるのであれば、JN-IPS29WFHDR-C65Wは有力な選択肢と言って差し支えない。

JN-IPS29WFHDR-C65Wの主なスペック
パネル 29型IPS(ノングレア)
解像度(アスペクト比) 2560×1080ドット(21:9)
表示色 1677万色
輝度 250cd/m2
コントラスト比 1000:1
視野角 178度(水平)/178度(垂直)
リフレッシュレート 最大100Hz
応答速度 最大6ms(OD)
インターフェース HDMI 2.0、DisplayPort 1.2、USB Type-C、USB Type-B、USB Type-A×2、オーディオ出力
スピーカー 3W×2
チルト -10~+22度
高さ調節 上下135mm
スイーベル 右45度、左45度
ピボット -
サイズ(スタンドを含む)/重量 701(W)×185(D)×370~505(H)mm/約6.5kg
その他 KVM機能、AMD FreeSync、USB PD(65W)、HDR 10
直販価格 3万4980円
■Amazon.co.jpで購入
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