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あのサービス、じつは13歳未満の単独利用NG!?

スマホデビューの季節に親が知っておきたいことは?

2022年03月21日 18時00分更新

文● せきゅラボ

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総務省「インターネットトラブル事例集(2021年版)」より

子どもの写真や動画は“ある意味”人気コンテンツ

 春は入学や進級で子どもの成長を実感できる季節ですが、最近は我が子にスマホを持たせるか否かで悩むタイミングでもあります。今回は子どものスマホデビューにあたって知っておきたいトピックを、高橋暁子さんの連載から抜き出してみました。

10代の10人に1人は自分のヌード写真を友人知人に送っている……!?

 13歳以上のパソコンおよびスマートデバイスのインターネット利用者を対象とした、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「2019年度情報セキュリティに対する意識調査」(2019年12月)を見てみよう。

 「自分自身の性的な姿を撮影した写真や動画」の共有相手として最も多いのは、「自分のみ」が85.0%でトップだった。しかし、知り合いなどに公開する人も多く、10代では「自分のみ」が79.7%など、年齢が若いほど公開する傾向にある。

 自分自身の性的画像をやりとりする相手は、30代以上は「恋人などの非常に親しい間柄の相手」がトップだったが、若者世代は異なっていた。「現実でも面識のある友人・知人」が10代で12.4%、20代で11.9%とトップとなり、1割以上が友人・知人に送っていることがわかった。また、自分の性的画像をSNS上だけの知り合いに共有する割合は、20代(9%)、30代(8%)の男性が高く、10代は男女とも平均を上回っていた。

TikTokの小学生動画には男性ファンも 投稿前に親が安全設定を

 近頃、「うちの子がTikTokに動画を投稿したがって困っている」と、小学生の子どもを持つ保護者から相談を受けることが増えてきた。TikTokアプリを見ると、制服姿で校内で撮影している女子中高生と並び、可愛らしい小学生女児の自撮り動画が多数見つかる。

 動画にはコメントを付けられるが、「◯◯県の△△です」と撮影場所を公開してしまっていたり、「LINEを交換しよう」というコメントが寄せられていたり、自ら「●日にオフ会をやります!」とオフ会参加者を募集している例も見かける。「先日のオフ会に参加してくれた人、ありがとう!」とすでに会ったことがわかるコメントも見つけた。

 いきなり衝撃的な話題ですが、年齢や学年によってスマホの使い道や時間帯、使ってよいアプリ・サービスなど細かく設定することの重要性がわかる調査結果とも言えるでしょう。

 スマホデビュー時には必ずSNSの使い方を決めましょう。たとえば「小学2年生までは禁止。3年生からは家族や親戚とのつながりのみ許可。5年生からは自ら発信せず、親が許可したアカウントのみフォローできる」といった段階的な運用を模索してみてはいかがでしょうか?

動画投稿サービスの使い方を再確認

小学生の両親必見! 安全にYouTubeを見せるための設定教えます

 YouTubeの規約には「本サービスは13歳未満の子供による利用を意図していません。あなたが13歳未満の場合、YouTubeウェブサイトを利用しないで下さい」と明記されている。基本的に13歳未満の子どもによる利用は推奨されていないため、保護者が共に視聴することを前提とすべきだろう。

 なお、13歳未満の子どもには、アプリ「YouTube Kids」が用意されている。視聴できる動画を保護者が管理したり、検索機能をオフにしたり、視聴時間を制限したりもできるので、小さな子どもにはこちらも活用したい。

子どもが勝手に動画公開して炎上しないために親がサポートできること

 YouTuberに憧れる子どもは多い。憧れが高じて保護者に隠れて投稿し、炎上してしまったケースも少なくない。その挙げ句、自宅や学校などを特定され、公開されてしまっている子どももいる。

 「動画公開で炎上しないためには、子どもの利用を禁止すればいいのでは?」という保護者は少なくない。しかし、子どもが隠れて公開してしまったら、もっと危険度が上がる。トラブルを親に相談できず、その間に問題が拡大しがちなのだ。

 また、YouTubeこそ禁止でやり過ごせても、中高生になると、Instagramのストーリーズなどで動画を公開することが普通になってくる。TikTokにいたっては、小中学生で動画を公開している子が多い。YouTubeに興味が向いている今のうちに、動画公開のリスクについて話し合っておくべきではないだろうか。

 13歳未満でのYouTube単独利用が規約に抵触するなんて知らなかった、という人も多いのでは? “子守歌代わりにYouTubeを見せておくと、泣き止んでおとなしくなるので、その間に家事をこなす”なんて使い方も耳にしますが、実際は、親の目の届かないところで見せること自体NGなのです。

 『ウチの子はデジタルネイティブで、私よりもスマホに詳しいから任せちゃってます』は責任放棄です。一方、『なんか危なそうだから未成年のうちはスマホ一切禁止!』も現実的ではありません。どんなに面倒でも、子どもと一緒にルールを設定して守らせていくことが親には求められます。

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