コンテンツの魅力を存分に伝える、確かな再現性
今回試聴したのは、Netflixで配信中の「攻殻機動隊 SAC_2045」と「ミッドサマー(Midsommar)」である。
攻殻機動隊 SAC_2045は、第1話の「NO NOISE NO LIFE/持続可能戦争」を試聴。冒頭のバギーの音がよりふくよかに生々しくなり、砂を巻き上げながら走るバギーのシーンの臨場感をアップさせている。
ミッドサマーには、謎に包まれた不思議な村に連れて来られた主人公たちが、異様な村の住人たちの様子を見ながら、不安そうな表情を浮かべるシーンがある。このシーンでは、主人公たちの会話や、村人たちの笑い声と併せて、バックグラウンドで「ズーン」と不穏な音が絶えず流れているのだが、テレビのスピーカーでは鳴らせない、うなるような重低音が楽しめた。
なぜ、テレビでは聞こえない音がDHT-S517では聞こえてくるのか。これはごく簡単に説明すれば、「本来はコンテンツ内に収録されているのに、テレビのスピーカーの周波数特性においては、カットされてしまう音域」が存在するからだ。
テレビのスピーカーのコンテンツの再現性は、それほど高くない。その音質はメーカーによっても異なるが、傾向としては「コンテンツ内の音声がきちんと聞こえる」ことを重視しており、声を聞き取りにくくする周波数の音域は、カットされていることも多い。味付けも“濃い目”(特定の帯域をカットしたり、持ち上げている)だ。
テレビのスピーカーはテレビのために作られている。オーディオ的な再現性の高さよりも、コンテンツの音を聞きやすい音で出力できるかどうかが優先されている。これは役割の違いであり、良し悪しではない。
だが、「どちらがオーディオ的に優れているか」という視点で見れば、それは明らかにDHT-S517だ。近年の映画は、特に低音域の音質にこだわって制作されている傾向があり、絶えずバックグラウンドに流していた低域を、あるシーンで急にカットすることで、急に視界が開けたり、場が展開したりするような演出を設けていることも多い。静かなシーンに突然、中高域〜高域の音を差し込んで、視聴者をハッとさせるような仕掛けとしていることも度々ある。
上の画像は、「攻殻機動隊 SAC_2045」のバギーが走る音をテレビのスピーカーとDHT-S517で出力し、それぞれをマイクで収音し、アナライザーにかけたものである。
テレビのスピーカーから出力した場合は、低域にかけてなだらかに出力が落ちているのに対し、DHT-S517からの出力では、似たような山を描きつつも、より低域に量感が出ていることがわかる。
これを、「DHT-S517によって音が良くなった」と解釈することもできる。しかし実際には、「コンテンツが元々持っていたポテンシャルが、DHT-S517によって、より忠実に再現されるようになった」ということであり、DHT-S517は、そんなことが可能な、高い再現性を持ったオーディオ機器だということである。
「Denon Home Subwoofer」にも注目!
DHT-S517の、高音質で“サブウーファー付き”という部分を羨ましく感じる、Denon Homeシリーズのユーザーもいるのではないだろうか。
実は、3月11日に、Denon Homeシリーズ専用のサブウーファー「Denon Home Subwoofer」が発表されている(発表時の記事はこちら)。
直径およそ20cmのウーファーユニットと、ストロンチウムフェライト・マグネットによる磁気回路、120Wのパワーアンプを内蔵している仕様で、ネットワークオーディオのプラットフォーム「HEOS」に対応。Denon Home シリーズの、全ラインアップとペアリングできる製品だ。
映画やアクションゲームを楽しむ機会の多い読者は必見。既存の環境にプラスして、手軽に重低音を強化できるぞ!
俺たちの願いを叶えてくれるサウンドバー
良い音を追求したい気持ちは持ちつつも、そこに至るまでの手間や苦労を考えると、なかなか一歩を踏み出せないという人も実は多いのではないかと想像する。
オーディオ機器は何かと手間がかかり、管理が面倒なイメージも根強い。だが、既存の環境に買い足すだけで、ほとんど設定の手間も要らず、手軽にオーディオ環境をアップグレードできるとしたらどうだろうか。DHT-S517は、「音にはこだわりたいが、手間は避けたい」という大人の願いを叶えてくれるサウンドバーなのだ。
(提供:D&Mホールディングス)