島津製作所とエピストラは2月21日、「細胞培養に用いる培養条件最適化ソリューション」の共同開発について合意したことを発表した。
細胞培養は、抗体をはじめとしたバイオ医薬品の生産、再生医療での治療用細胞や有用物質の工業的発酵生産など広く産業で応用されている基盤技術。低分子医薬品と比較して製造プロセスにかかるコストが大きく、患者1人あたりにかかる治療費が高騰することが大きな課題となっている。
開発中のソリューションは、島津製作所製質量分析計などで計測される培養上清成分を利用。AIスタートアップであるエピストラが開発した「実験計画支援AI（Epistra Accelerate）」が培養状態の推定と、その推定に基づく実験計画を作成するもの。
エピストラの自動実験計画AIは、同社独自のアルゴリズムを実装したライフサイエンスの問題を解くために強化したAI。理化学研究所との共同研究で熟練した匠の技を超える分化効率を達成するプロトコルを自動的に探索することに成功したという。今回のソリューションの共同開発により、抗体医薬などの生産における培養や遺伝子・細胞治療、再生医療向けの培養の条件検討を効率化し、2024年中の製品化を目指すとしている。
実証実験に用いる自動前処理装置「C2MAP-2030」とLC-MS／MSからなる「C2MAPシステム」
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