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皮膚炎の拡大をコンピューター・シミュレーションで再現=阪大

2022年02月14日 06時49分更新

文● MIT Technology Review Japan

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大阪大学の研究グループは、皮膚炎が拡大する様子をコンピューター・シミュレーションで再現することに成功し、炎症の拡大を抑える条件を発見した。皮膚炎の炎症領域を拡大させる炎症調整機構の仕組みは従来、分かっていなかった。

大阪大学の研究グループは、皮膚炎が拡大する様子をコンピューター・シミュレーションで再現することに成功し、炎症の拡大を抑える条件を発見した。皮膚炎の炎症領域を拡大させる炎症調整機構の仕組みは従来、分かっていなかった。 研究では、炎症の発生時に組織中に分泌されるサイトカインの合成と分解、拡散を表す数理モデルを構築。同モデルに基づくコンピューター・シミュレーションからは、皮膚の非常に小さな部位で発生した炎症が、周囲の皮膚に次々と波のように伝播して拡大することが予測できるという。加えて、数理モデルの解析から、炎症が拡大する速度を抑える条件を発見。この条件から、炎症のバランスを調節することで、炎症領域を縮小できるとの予測も発表した。 研究グループは、慢性炎症の治療法開発のほか、研究で使用した数理モデルは、アレルギーなど他の組織で起こる慢性炎症の解明や治療方法の開発に応用できるとしている。研究成果は2月10日、科学誌「プロス・ワン(PLOS ONE)」に掲載された。

(笹田)

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