作ったステッカーは3種類
ミリタリー風にするべく色を赤からサンドカラーに塗り替え、トップカバーを自作した中古のモトコンポ。純正の状態ではあちこちに注意書きのシールが貼られているのに、それがないと何だかのっぺりしていて寂しいので、軍用車っぽいステッカーを作って貼りました。
そのひとつは切り抜きステッカー。軍用車の車体に書かれている注意書きを真似たモノで、一度作ったもののフォントが気に入らなかったので作り直しています(第315回 モトコンポの切り抜きステッカーを再作成して貼り直し)。
切り抜きステッカーはカッティングマシンで切り抜いて作るカッティングシート製のステッカーで、文字や線の部分だけがシールになっているタイプです。
モトコンポを持ち上げたり固定用ストラップを取り付けるグリップ部分に「SLING AND TIE-DOWN」という文字を入れたり、タイヤの空気圧を示す「TP-25」、「USMC」の文字などを作って貼り付けました。
車内の注意書きラベル風ステッカー
もうひとつはラベルステッカー。軍用車の車内に貼られているラベルっぽさを狙って作ったステッカーです。
レーザープリンター用のフィルム製ラベルシール用紙にプリントしたもので、切り抜きステッカーは黒一色でしたが、こちらはカラーです。モトコンポの取扱説明書に書かれていた「キックペダルをキックする時は左のステップを上に折りたたむ」をでっち上げ英語にしてみたり、ハンヴィーの「WAITライトが消えるまでスタートするな」という注意書きを「オイルチェックライト」に書き換えてみたりしています。
これもフォントがイマイチだったのと、見た目や色を変更するために再作成しました(316回 中古モトコンポのイメチェンもいよいよ大詰め!注意書きステッカーのデータ修正)。
2種類のデータプレート
注意書きステッカーはこれで終わりですが、作ったステッカーはもうひとつあります。それはデータプレート(第300回 軍用車の注意書き&データプレート風ステッカーを作りました)。
元ネタはハンヴィーのデータプレートで、「IDENTIFICATION PLATE」と呼ばれるもの。型番やシリアルナンバー、登録番号などが書かれたデータプレートが運転席の横に、サイズ・重量、ベルト固定位置など輸送用のデータプレートが助手席の横に取り付けられています。実物はいずれもアルミニウム合金製で、車体への固定はリベット留めです。
型番のプレートは地の部分が黒で塗装されていて、文字や4ヵ所にある四角い枠のところは無塗装の鈍い銀色になっています。
左上に書かれている「TRUCK UTILITY: CGO/TRP CARR 1 1/4 TON, 4X4, W/E」はハンヴィーの正式名称。右上の「M998」が型番です。
名称の後ろにある「HMMWV」は、これで「ハンヴィー」と読みます。High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicleの頭文字なんですけど、ちょっと無理やりですね。
「CGO/TRP CARR」はCARGO/TROOP CARRIERの略で、貨物兵員輸送車みたいな意味です。「1 1/4 TON」は積載量、「4X4」は四輪駆動、「W/E」ははっきりわからないのですがwith equipment(備品付き)ではないかと言われています。
ウチのハンヴィーはM1026という型番の仕様になっていて、マニュアルに載っている正式名称は「TRUCK, UTILITY: ARMAMENT CARRIER, ARMORED. 1-1/4 TON, 4X4、W/WINCH, M1026」。データプレートがM998なのは、ウチのが元は幌車のM998というモデルで、あとから屋根やウインチを付けてM1026仕様にしているためです。
ここに記されるのはクルマのID情報で、メーカーのシリアル番号と軍の登録番号、米国国防総省の物品管理番号(NSN)、車両重量、最大積載量、車両総重量、引き渡し日、兵站局発注番号。4ヵ所の枠部分はメーカーのシリアル番号と登録番号、NSN、引き渡し日の欄で、内容が車両によって変わるため印刷ではなく刻印になっています。
輸送時のデータプレートには詳細な重量表示が
サイズや重量、ベルトの固定位置を記したデータプレートは緑の地色に黒の文字。周囲が黒枠で囲われています。
このプレートの上半分は「SLING AND TIE-DOWN DATA」。ヘリなどで吊り上げる時や輸送機や輸送艦の床に固定する時に必要な情報が記載されています。「SL」は吊り上げ時にフックを引っ掛ける位置。フロント側はボンネットの上、リアはリアゲートにあるガイド穴にワイヤーを通してから掛けるよう指示されています。
「TD」は床への固定時にフックを引っ掛ける位置で、吊り上げる時は4ヵ所に引っ掛けるだけですが、こちらは前後4ヵ所に加えてフレーム部も10ヵ所固定します。
吊り上げる時の方が不安定なのに固定箇所が少ないのは、吊り上げる時は機体に繋がるワイヤーは1本なので、4ヵ所のどこかが外れたり切れたりしてもバランスが取れるからだと思います。対する飛行機や船の場合は、貨物が動いて偏ってしまうと墜落や沈没の危険性があるので、ガッチリ固定するのではないかなと。
「CG」はたぶんCenter of Gravityの略。重心です。
プレートの下半分は輸送のための重量と寸法のデータになります。重量は型番のプレートよりも詳細で、前後の車軸位置の車両重量と車両総重量のほか、最大牽引重量、牽引フックの最大垂直荷重、輸送時容積、輸送時乾燥重量が記されています。
最新のプレートを元にしてデータを作成
イラストレーターでプレートの写真をテンプレートにして、線を引いたり似たフォントで文字を書いたりしていきます。
型番プレートの方は黒をベタ塗りして文字や枠を白で書きました。
プレートは何種類かあり、ウチのは最初期のもの。テンプレートに選んだのは製造メーカーのコードが入る現用タイプです。NSNが印刷済みの代わりに兵站局発注番号が刻印になっている点もウチのハンヴィーのとは異なります。
左上はモトコンポの名称です。正式名称はもちろんMOTOCOMPOなんですけど、カラーリングや一部の注意書きの参考にした米海兵隊のオートバイM1030が「Motorcycle, Military, 2-Wheel, M1030」となっていたので、それを真似しました。型番の「NCZ50」はそのまんまモトコンポの型番です。
枠の中は刻印なのでそれっぽく見えるように影を付けてみました。「MFR-」はメーカー名のAM GENERALが入るようなんですけど、ちょっとひねってAmerican Honda Motor Co., Inc.のCAGEコード(委託発注先企業コード)にしてあります。シリアル番号の頭のAB12はモトコンポの型式で、重量はkgをlbsにしたもの。引き渡し日はモトコンポの最終出荷年の85年です。あとは適当に。
金属で作るなんてもちろん自分には無理なので、市販のラベルシール用紙を使いました。少しでも金属感を出したいので、色はちょっとメタリックなつや消しシルバーに。レーザープリンターで出力する、レーザー専用のフィルム用紙です。
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