上位モデル級の電源まわりと高性能なVRMヒートシンクで安定動作
価格は低めでもCPU電源回路は妥協せず!コスパも放熱も優れたAlder Lakeマザーボード、MSI「MAG B660 TOMAHAWK WIFI DDR4」
USBは、バックパネルにUSB 3.2 Gen2x2 Type-Cを1基、USB 3.2 Gen2を4基(内部ヘッダーとしてType-C×1も搭載)、そのほか内部USB 3.2 Gen1ヘッダー×2基、USB 2.0も搭載している。拡張スロットやSerial ATAのほかIntel B660ではUSBポート数も削減されているが、MAG B660 TOMAHAWK WIFI DDR4では台湾Genesys Logicの「GL3590」USB 3.2 Gen2ハブチップを追加して対応している。
そしてネットワークは2.5GbEとWi-Fi 6。2.5GbEチップにはRealtek「RTL8125BG」を採用している。上位のモデルではIntel製チップや同じIntelでもKillerブランドのチップが採用されているが、RTL8125BGも2.5GbEの当初から採用されており実績がある。コスト的に安いという点はあると思われるが、安定性では安心できるだろう。ちなみに、マザーボードの裏側に実装されていた。
今回せっかく通電検証しているので、最後にいくつかCore i7-12700Kでのベンチマークスコアを紹介しておこう。CPU中心でビデオカードがかなり古いRadeon RX 460であるため、主にCPUスコアやCPUの依存度が高いスコアを中心に見ていただきたい。
まずCINEBENCH R23はMulti Coreが22611、Single Coreが1920。ちなみにPower Limitを288W、あるいはCPUの定格である190Wとすると大幅にスコアが低下する。一方、ツインタワーの空冷CPUクーラーだったため、その際のCPU温度は70℃にも達するかどうかだった。ゲーミングという性格上、強力なCPUクーラーでPower Limit 4096Wを利用してもらいたいが、一方でパフォーマンス/ワットや静音性狙いならPower Limitを控えたり、あるいはCPU倍率を定格よりも引き下げたりする(定格以下ならIntel B660でも設定可能だ)方向性もアリだ。
PCMark 10(Standard)はOverallが7398。まあ、PCMark 10もGPUを活用するベンチマークなので参考程度だが、Core i7-12700Kの性能で万能型と言ってよいスコアバランスとなっている。
なお、3DMarkのTime Spyは1487だった。これはかなり古いビデオカードを用いたためで仕方がない。ただし、ところどころCPUはかなり高クロックで動作している様子がうかがえた。マザーボードコストをMAG B660 TOMAHAWK WIFI DDR4で抑えた分、ビデオカードなりCPUに予算配分すれば、理想のゲーミングPCが組めるだろう。
ちなみに、PCMark 10、3DMarkの実行中の最大VRM温度は41.4℃、40.5℃だった(室温24℃)。
今回、MAG B660 TOMAHAWK WIFI DDR4を試したが、やはり注目はCPU電源回路だ。この部分のコストに妥協をしていない。Intel B660でありながら、Z690ミドルレンジに搭載されていてもおかしくはない部品で構成されている。結果として、ベンチマークで負荷をかけても発熱が抑えられており、高性能なVRMヒートシンクと相まって温度上昇に天井が55℃程度という、ゲーミング用途でも安心感の高い製品となっている。
実際に販売開始とならなければコストを語るのが難しいのだが、これまでIntel Z690チップセット搭載ゲーミングモデルが予算オーバーと感じていた方にとって、MAG B660 TOMAHAWK WIFI DDR4は満足のいくコストパフォーマンスとなるのではないだろうか。DDR4メモリが使えるところもコストを抑えられる。あるいは、パフォーマンスでDDR5に引け目を感じるならば、DDR4のOCメモリを組み合わせればよい。あくまでメインストリームゲーマー向けではあるが、DDR5移行期、そしてPCパーツが高騰している現在、MAG B660 TOMAHAWK WIFI DDR4は非常に魅力的な選択肢となるのではないだろうか。なお、DDR5メモリで自作したいという方には、MAG B660 TOMAHAWK WIFIがラインアップに用意されているので、メモリに合わせて選択が可能だ。
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