東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部(旧 次世代通信推進課note)連動企画 第55回
今回は、東京都が日々保守管理している海底光ファイバーケーブルの修理について紹介します!【保守管理編】
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東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部です。(旧 次世代通信推進課note)。デジタルサービス局は、デジタルの力を活用した行政を総合的に推進し、都政のQOSを飛躍的に向上させるため、新たに設置した組織です。その中で、ネットワーク推進課は、東京の成長戦略やICT利活用の更なる推進のため、2019年(平成31年)4月に新たに設置された組織です。その中で、次世代通信推進課は、TOKYO Data Highwayの構築を推進し、いつでも、誰でも、どこでも「つながる東京」の実現に向け、取り組んでいます。
都民の皆様がどこにいてもサクサクつながる環境を構築するため、全国初となる5Gアンテナ基地局を搭載するスマートポールの試行設置や通信事業者が5Gアンテナ基地局を設置しやすいように、行政財産を開放するなど様々な取組みを展開しています。こうした日々の取組みを都民の皆様に情報発信していきます。
■前回の紹介記事はこちら。
チャットボットはAIが自動で回答してくれるの?~内情をお話しします~
※過去の連載記事はこちら:東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部ネットワーク推進室(旧 次世代通信推進課note)連動企画
突然ですがまた問題です。
Q1 世界で最初の海底ケーブルは、英仏海峡に敷設されました。当時の通信は電信でしたが、初めて海を越えての通信が可能となりました。では、敷設した年は次のうちどれでしょう。
[ ヒント💡 日本はまだ「江戸時代」ですね。]
Ⅰ.1869年 Ⅱ.1602年 Ⅲ.1851年
Q2 日本で最初の海底ケーブルは、デンマークによって長崎~上海間に敷設されました。このケーブルにより、日本と海外との間で国際通信が可能となりました。さて、このケーブルが敷設された年は次のうちどれでしょう。
[ ヒント💡 日本はまだ「明治時代」ですね。]
Ⅰ.1871年 Ⅱ.1863年 Ⅲ.1972年
(解答は一番下に)
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超高速ブロードバンドサービスは島の生活にとって必要不可欠なもの。都では、このサービスを支える基幹インフラである海底光ファイバーケーブルの保守管理を、専門の事業者に委託し24時間365日休むことなく行っています。そして、あってはならないことですが万が一のケーブル故障にも対応できるように備えています。
今回は、万が一の際のケーブル修理についてご紹介します。
ケーブル修理方法について
ケーブル修理にも、前回のケーブル敷設編でご紹介したケーブル敷設船を使用します。ケーブル敷設船は、基地のある長崎港を出港、途中横浜港等で修理に必要な資機材を積み込み修理箇所に向かいます。
現場での修理作業は、
① 修理でつなぎ変える部分を船上に引き上げ
⇩
② 船上でのケーブル接続
⇩
③ 通信テスト、ケーブルを海中へ再投入
このような手順で行い、一連の作業に昼夜連続で2日間かかります。海底にあるケーブルの一端を船上に引き上げて作業をおこなうため、海気象の影響を直接受けることになります。また、場所によっては黒潮の強い流れを受けての作業となります。このため海が穏やかでかつ干満の差が最も少ない小潮※の時を選んで作業を行うことが望まれます。
※小潮:潮汐(海面が周期的に昇降する現象)の干満の差が最小となる状態。また、その時期。
ケーブル故障が発生するとその箇所で光信号が途絶え、その位置は監視装置により島から何mの地点と特定されます。またケーブル敷設時にはGPSで位置管理を行っていますので、広い海原の中でも故障箇所を特定することができます。ケーブルの引き上げには探線アンカーという錨を用います。これを海底で曳航しケーブルがかかったら引き上げを行います。引き揚げ作業はカットアンドホールドという方法で行います。これは、ケーブル引き上げ時に一定の張力がかかると自動でケーブルを切断。ケーブルをキャッチしたまま船上に引き上げるものです。これにより、海底のケーブルに張力がかからない状態で引き上げることができます。海底に残された側のケーブルは、再度探線アンカーを使用して引き上げを行います。
時には潮流等によりケーブル位置がずれていて探線アンカーでは引き上げができないことがあります。そんな時は遠隔操作型無人探査機(ROV(ロブ):Remotely Operated Vehicle)の出番です。ロブは水中カメラを備えており海底で簡単な作業を行うことができます。
次は船上でのケーブル接続作業です。ケーブル接続にはJB(Joint Box)という部材を用います。光ファイバーケーブルは、光ファイバーユニット、耐圧層、絶縁層、外皮等からなり、見かけ以上に精密で、複雑な接続作業には綿密な作業工程が必要になります。
船上での接続完了後、通信テストを行った上で接続したケーブルを海中に再投入し一連の補修作業を終了します。
ケーブル引き上げ、接続、再投入までの作業は、2日間にわたり継続して行われます。作業中は船を常に海上の1点に留めておく必要があります。このため、船には、アジマスプロペラという特殊な動力装置を備えています。このプロペラを360°あらゆる方向に向けることで、波や潮流等が常にある中で船の定点保持を可能にしています。高い操船技術が必要であることは言うまでもありません。
このように、万が一のケーブル故障に際しても、できる限り迅速に修復を行っています。
都は、今後とも海底ケーブルの保守管理を確実に行い、安定した運用に引き続き取り組んでまいります。
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問題の答え
Q1: Ⅲ.1851年
Q2: Ⅰ.1871年
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◆この記事は、下記より転載しています
https://note.com/smart_tokyo