6割の家庭がスマホルールを決めているが……
小学生のうちからスマホを持たせる家庭も増えてきたが、利用時間などの管理は難しいようだ。スマホを小学生の子どもに持たせている保護者を対象とした、Hameeの「小学生の親子におけるスマホ利用実態調査」(2021年11月)を見てみよう。
子どものスマホ利用について対策や制限の実施を聞いたところ、「家庭内でルールを作っている」(61.8%)「フィルタリングサービスやスマホ制限アプリを利用」(59.6%)などとなり、約6割が何らかの対策を講じていることがわかった。
「取り上げスマホ」で親子関係が悪化も
では、ルールを守れなかった場合どうするのだろうか。ゲーム機の場合などでもよく聞くのが、「取り上げた」という話だ。
子どものスマホを取り上げたことがあるか聞くと、60.7%と6割以上が「ある」と回答。理由は、「約束の就寝時間を超えてスマホを利用していた」(52.0%)が最多であり、次いで「長時間利用」(47.4%)、「勉強しながらスマホを利用していた」(46.5%)などとなった。子どもがスマホの利用時間をコントロールすることはなかなか難しいのが実態なのだ。
さらに「取り上げスマホ」後の様子を聞くと、「子どもが取り上げられたことに納得せず、関係が険悪になった」(44.6%)が最多に。次いで「子どもがもう一度利用したいというので、ルールを決めた上で利用することを許可した」(43.7%)、「子どもが取り上げられたことに納得して利用しなくなった」(42.2%)などとなった。
大人でも、スマホはついつい利用時間が長くなってしまいがちだ。まして子どもはそうなってしまうのは当たり前と考えたほうがよいだろう。
前提として、一日のうちの利用時間の長さ、利用してよい時間帯などについてルールを決めることは必須と言えるだろう。しかしルールだけではなかなか守れないので、あわせてフィルタリングサービスやスマホ制限アプリなどを利用することで、子どもの側も守りやすくなるだろう。
「スマホを取り上げられたら、友だちと連絡ができなくなる。友だちから連絡がきたときに困る。取り上げられるのは許せない」とある中学生から聞いた。スマホやSNSは子どもにとって必須のツールとなりつつある。特に友だちが一番大切という年代にとっては欠かせないものだ。
突然取り上げる羽目にならないよう、ぺアレンタルコントロールなどでルールを守りやすくしてあげることも大切ではないだろうか。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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