超パワーなM1 Pro／M1 Max搭載のMacBook Pro登場　新型AirPodsも！ 第20回

第3世代AirPodsが「すべてを楽しむならマストバイ」なわけ

映像で効果が高い「ダイナミックヘッドトラッキング」

　音の正面を保つ「ダイナミックヘッドトラッキング」が生きるのは、映像を見ているとき、すなわち正面がきちんと規定されるべき状態のときである。画面から目を離しても音は画面方向に張り付いたままという感覚は、スピーカーで音を聞いている状況に近い。

　iPhoneでApple TV+を視聴した場合、Dolby Atmosコンテンツは「空間オーディオ」＋「ダイナミックヘッドトラッキング」で視聴することができる。ステレオコンテンツの場合は「ステレオを空間化」＋「ダイナミックヘッドトラッキング」で再生できるのも、Apple Musicと同じだ。 10月に「空間オーディオ」に対応したNetflixでも同様である。

Apple TV+もNetflixも「空間オーディオ」対応は同じ。画像はApple TV+の場合

Netflixの場合

　では映像コンテンツを、Macで再生した場合はどうか。macOS Montereyにアップデートした2020年版M1 Macbook AirでApple TV+を視聴した場合、Dolby Atmosコンテンツは「空間オーディオ」＋「ダイナミックヘッドトラッキング」で視聴することができた。音の正面も、きちんと画面方向を向く。

MacでApple TV+再生でも、「空間オーディオ」＋「ダイナミックヘッドトラッキング」で再生できた

　16インチの新MacBook Proで視聴すると、ディスプレイがHDR対応になったこともあり、コンテンツ本来の持つ映像と音声のダイナミズムそのままで視聴できるため、大変快適である。「ダイナミックヘッドトラッキング」があまりにも自然なので、「あれ？本当にイヤホンから音出てるよね？」と何度もイヤホンを外して確認したほどだ。

　一方Netflixは、macOS向けに専用アプリがなく、MacBookで再生する場合、ブラウザで視聴することになる。ブラウザでの視聴では、音声がステレオでしか配信できないため、「空間オーディオ」での再生はできない。だが「ダイナミックヘッドトラッキング」は動作する。特に設定する部分はないが、自動でONになるようだ。逆にOFFにもできないわけだが。広がり感が物足りないところはあるが、音の正面が画面に固定されるため、まるでスピーカーから音が出ているように思える。

　「ダイナミックヘッドトラッキング」における正面は、人の顔の位置が安定するとそちらが正面になるように逐次調整される。ずっと横を向いていると、10秒程度でゆっくりそちらが正面に調整される。

　この特性は、MacBookに大型ディスプレイを接続してコンテンツを視聴するという場合に便利だ。すなわちMacとディスプレイの方向がずれていても、10秒ぐらい我慢すればディスプレイ方向を正面に補正してくれるわけである。

　「空間オーディオ」も大きな変化だ。ただiPhoneでは、「ミュージック」の設定で「ドルビーアトモス」を「常にオン」に設定していれば、どんなイヤホン・ヘッドホンでも再生できる。しかし第3世代AirPodsは現時点で「ダイナミックヘッドトラッキング」が体験できる、最も低価格なイヤホンだ。AirPods Proに比べオープンタイプなこともあり、周囲の環境ノイズも聞こえる。これは特に「ダイナミックヘッドトラッキング」と相性がいい。

　最新のイヤホン音像空間を楽しむなら、第3世代AirPods一択しかないことがわかる。

 

■関連サイト

• AirPods（第3世代）
• アップル