リアルオンリー開催のCybozu Days 2021基調講演レポート
北國銀行、日清食品が語るkintone、そして「カオス」との付き合い方
2021年11月02日 09時00分更新
2021年11月1日、サイボウズは年次イベント「Cybozu Days 2021」を幕張メッセで開催した。初日の基調講演では、サイボウズ代表取締役社長の青野慶久氏がプロダクトの最新動向を披露。そして多くの時間を費やし、北國銀行と日清食品ホールディングスの事例を自らが深掘りした。
昨年に引き続きリアルオンリー開催 製品の最新動向を披露
Cybozu Daysはサイボウズが年に1度開催する大型イベントで、近年は幕張メッセのスペースを活かした大がかりな造作も見どころ。コロナ禍だった昨年も感染者が減少傾向に転じていた時期だったため、奇跡的にリアル開催が実現され、今年も幕張メッセで無事開催されることとなった。オンライン配信のないリアルオンリーのイベントということで、会場となった幕張メッセには午前中から多くの参加者が詰めかけ、場所によってはテーマの通り「カオス」となっていた。
初日となる1日の午前中に行なわれたプロダクトキーノートでは、サイボウズ 代表取締役社長の青野慶久氏が登壇。昨年のエゴ&ピース」に続く今年のテーマとして「ラブユアカオス」を選んだ理由として、「エゴを突き通した結果陥るのはカオス。でも、カオスの中にこそ次のヒントが隠されているかもしれない」と語る。
その後、サイボウズ製品の最新動向が紹介された。まずグループウェアの「サイボウズOffice」だが、導入企業が7万1000社を突破。2027年9月末にパッケージ版のサポートを終了し、クラウド版に一本化されることも発表された。またチームによるメール共有を実現するメールワイズも導入が1万社を突破し、ユーザーインターフェイスを好みに合わせて変えられる着せ替え機能のβ版が公開されているとのことだ。
大規模向けグループウェアのGaroonは、ポータルを容易に作れるポータルギャラリーやプラグインによってカスタマイズ性がますます高まっているという。また、Garoonユーザーの47%がkintoneと、約5割がMicrosoft 365と併用しており、連携ソリューションは今後も増えていく見込みだ。予定調整やビルの入館申請、コミュニケーションなどサイボウズ社内の独自カスタマイズも増加。青野氏は、「これからのグループウェアはつながって、カスタマイズできるもの」とアピールした。
サイボウズの主力製品になっているkintoneは、導入企業が2万2000社を突破。昨年からは「どクラウド」のフレーズが頭に残るTVCMを放映し、認知度アップを図っている。現在、同社がフォーカスしているのが、DXを前提とした「内製化」と、外部パートナーと新しいシステム構築の関係を作る「伴走型SI」という2つのキーワード。アップデートも随時行なわれており、クラウドサービスの認定制度であるISMAPを取得したほか、今後はスペースごとにアプリの利用制限をかける機能が追加される予定だという。