新色ピンクにさらなる強力カメラ! iPhone 13、ASCII徹底大特集 第59回
スタンダートとして完熟した「標準iPad」最高のプライスパフォーマンスを更新
2021年10月18日 12時00分更新
盤石の入出力機能
同時に登場したiPad miniと比較して、このiPadは画面サイズ以外のほぼすべての面で劣っているのではないかと思われるかもしれない。しかし、少なくと1つは間違いなくiPad miniよりも優れた点がある。それは専用キーボードを直結して使えるSmart Connectorを装備していること。ただし、iPadの同コネクターは、どちらかというと旧タイプで、本体長辺の側面に付いている。
これは、最近のiPad AirやiPad Proのものとは異なり、それらのモデル用のMagic Keyboardは装着できない。代わりに従来からのSmart Keyboardが使える。
このSmart Keyboardも、Magic Keyboardに比べると地味な印象があるだろう。確かに機能として劣っている点が2つある。1つは、トラックパッドを装備しないこと。もう1つは、iPad本体の角度調節ができないことだ。これらについてはいかんともし難いが、iPad本来のタッチ操作で代用できるし、角度も適切な位置に固定されるので、慣れれば大きな欠点とは感じられないだろう。
キーボード上のキーも、Magic Keyboardのようなアイソレーションタイプではないので、キータッチが劣るのではないかという心配もあるかもしれない。しかし実際には、キーの反発力も適切で、ストロークもそれなりに確保されている。少なくとも見た目から受ける印象よりは、ずっとタイプしやすい。returnキーの左側あたりの記号のキーが小さく、ピッチが圧迫されているという欠点はある。ただし、それらのキーの使用頻度は、ホームポジション周りの一般のキーに比べて低い。また、その分ホームポジションからreturnキーまでの距離が近くなるので、慣れればかえって使いやすいと感じる人もいるだろう。
1つ注意を要するのは、このキーボードは、Magic Keyboardや、Smart Folioのように畳んだ状態でiPad本体の背面をカバーするものではないということ。キーボード部分はディスプレイ側に収納されるので、iPadの背面は露出したままとなる。
とはいえ、標準iPadの場合には、背面をカバーしなければならない理由は、iPad AirやiPad mini、あるいはiPad Proよりも弱い。なぜならこのiPadのみ、他のモデルとは異なって、カメラのレンズ部分が本体背面から出っ張っていないからだ。レンズ表面は背面とツライチになってるので、そのままでもカバンの中でひっかかったり、テーブルに置いた時に表面を傷つけてしまったりする心配がないのだ。
Smart Keyboardは、Magic Keyboardに比べれば軽量だが、それでも実測で約240gの重量がある。iPad本体は約490gだから、合わせると単体の約1.5倍の730gほどになる。この重量が難点と言えば難点だが、キー入力の使用頻度が高い人なら、入力速度は何倍にも加速される。この程度の重量増加は、十分に折り合いの付くものだろう。
現状では、標準iPadのみが第1世代のApple Pencilに対応し、残りのiPad Air、iPad mini、iPad Proは、すべて第2世代のApple Pencil対応となった。この理由は大きく2つ考えられる。1つは、他の部分同様、保守的な仕様にしてコストを下げると同時に、従来のモデルとの機能的な互換性を維持するため。もう1つは、やはり互換性を重視しているために本体の形状を変更することができず、第2世代のApple Pencilの充電に必要なマグネットによる吸着機構を内蔵できないことだ。
これも、ユーザーはいかんともしがたい部分だが、iPadOSの進化によって、第1世代のApple Pencilの機能も確かに向上している。iPadの用途にもよるが、これもさほどの欠点とは感じられない場合もあるだろう。そうした機能の最たるものは、iPadOS 15から、ようやくスクリブルによる日本語の文字認識が可能となったこと。これで世代に関わらずApple Pencilを、日本語の文字入力装置として活用できるようになった。
もう1つ、他のiPadモデルには見られない、標準iPadならではの装備を挙げておこう。それは、3.5mmヘッドホンジャックだ。
これは、もはやいらないという人も少ないないだろうが、今でも有線のヘッドホンやイヤホンを使いたいという人もいるはずだ。要するにユーザーによって評価は分かれるところだが、iPadがヘッドホンジャックを装備したことによって生じる欠点というのも考えにくいので、これが残っていることは歓迎すべきことと思われる。
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