10月1日、午前10時半、ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京の開設記者会見が行なわれた。コロナ禍であり、当日は台風16号が関東に近づくための大雨というあいにくの天候もあって、その多くのメディアはオンラインでの参加であったが、それでもいくつかの記者やカメラマンが千葉・木更津の現地に駆け付けた。
ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京は、千葉県木更津市の丘陵エリアに作られた施設だ。その目的はクルマの販売でもなく、サーキットでもない。“ポルシェを体験する”ことを目的としている。最寄りの高速道路ICは、木更津北ICと木更津東ICで、約20~30ほどで到着する。ポルシェとしては世界で9番目となり、日本の輸入車インポーターとしては唯一の設備だ。
ポルシェを体験するために、施設には全長2.1㎞のハンドリングトラックをはじめ、ドリフトサークル、キックプレート(低ミュー走行を体験できる)、ダイナミックエリア(広いエリアで、パイロンスラロームなどが可能)、ローフリクションハンドリングトラックなどの、コースが数多く用意されている。メインとなるハンドリングトラックには、“カルーセル”や“コークスクリュー“といった世界で有名な名物コーナーが再現されている。ポイントは、このコースとレンタルのポルシェを使ったドライビング・レッスンが用意されていること。料金を支払えば、誰もがリアルなポルシェの走りを体験することができるのだ。
また、日本の伝統工芸品である江戸切子をモチーフにしたメインの建物内には、シミュレーターが用意されており、デジタルでのポルシェのドライブも体験できる。さらに、レストラン「Restaurant 906」やカフェ「The 956 Cafe」、アイテムショップやビジネス向けのミーティングルームが用意されており、走るだけでなく、ポルシェの世界観を感じることもできるようになっているのだ。
この日のイベントには、施設のある千葉県・木更津市の副市長・田中幸子氏も参加。千葉県知事の熊谷俊人氏は、防災対応のため電報での祝辞という格好で、同施設の開設を祝った。そして、同施設に面する木更津市道125号が、ネーミングライツ契約により、2026年9月末までの5年間の間、「ポルシェ通り Porsche Strasse(ポルシェ・ストラッセ)」となることも発表された。
「私自身、いろいろな国に駐在して働いてきましたが、国によっては自分の誕生日に雨が降ると非常に多くの幸運を示すということわざがあります。そして、日本でも“雨降って、地かたまる”という言葉がありますよね。そのような認識で、今日の天気とともに、このオープニングのスピリットを心に納めていきたいと思います。このような気持ちでこれからも運営し、みなさまとの様々な約束をはたしてまいりたいと考えています。ブランドを代表してみなさまに心から御礼申し上げます」と、ポルシェジャパン社長であるミヒャエル・キルシュ氏は感謝を述べた。
イベントの締めくくりは、テープカットだ。勇壮な和太鼓の演奏をバックに、振袖姿の美女2人が持つリボンを、ポルシェジャパン社長のミヒャエル・キルシュ氏、木更津市の田中幸子氏などがカット。これより、ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京が正式にスタートする。
なお、施設内などの詳細なレポートは後日掲載する。