Googleは8月17日、公式ブログにて「Project Guideline: 誰もが自由に、思うままに走れるように。」と題した記事を公開した。視覚障がい者が自由に1人で走ることができる研究開発プロジェクトを紹介している。
視覚に障がいを持つ人にとって晴眼者のランナーを伴走するマラソン競技はあるが、それでも自分の思い通りに誰にも頼ることなく自由に走ることは障がいの有無に関わらずあらゆるランナーが持つ思い。「Project Guideline」では、Androidスマホで動作する画像認識技術を使用し、地面に引かれた色のついた線を見分けて線がランナーよりも左か、右か、中央なのかを瞬時に判断。ヘッドホンを通じて音声シグナルを送ることで、ランナーはその音を頼りに線から逸れることなくランニングを楽しめる仕組み。
パラスポーツやスポーツ全般への注目が高まる今年、同社ではこのプロジェクトを日本でも発表。全盲のランナー・御園 政光さんを日本における最初のパートナーとして迎え、テストとフィードバックを繰り返し、5月にはProject Guidelineの助けだけで10kmを走り切ることに成功。
Project Guidelineでは、光の向きや道路に落ちる影といったさまざまな条件下でも正確な判断をできるよう、Googleが公開する機械学習用オープンソースライブラリTensorFlowを活用した機械学習モデルを構築。可能な限り多様な状況でデータを収集してモデルに学習させ、精度を向上させていく取り組みを続けている。
Project Guidelineでは、プロジェクトに賛同しデータ収集のためのイベントやフィールドテストに協力する企業やNPO、テストに協力する視覚障がい者を募集。プロジェクトの詳細や今後のイベント・テストの情報などはProject Guidelineのウェブサイトに逐次掲載するとしている。