Apple M1搭載で大幅性能アップの「iPad Pro」＆カラフル7色「iMac」特集 第36回

【iPad Pro 2021レビュー】ハードウェアはMacを超えたが、ソフトウェアはまだ届かない

ベンチ結果はほとんどM1 Macそのもの

　ここでは、新しいiPad Proのパフォーマンスを、同じくM1チップを搭載した新しいiMac 24インチと比較しよう。いずれのマシンについても、すでに別記事でベンチマークテスト結果は公開済なので、それらの記事からピックアップしたデータを並べて比べている。

　まずは、基本的で一般的なベンチマークテスト専用プログラム、Geekbench 5の結果を見てみよう。

　結果は、ほとんど誤差範囲と思えるわずかな差だけで、ほとんど同一と言ってもいい。グラフで確認するまでもないが、念のために示しておく。

　同一のSoCを採用していて、コンピューターとしての基本スペックも同一なのだから、当然の結果と言える。Safari上で実行するブラウザー用のベンチマーク、JetStream 2の結果も比較しよう。

　この結果は、誤差範囲として片付けるには少し大きな差で、iMacの方が速い。ハードウェアの基本使用はほとんど同一ながら、OSとウェブブラウザーはまったく同じではない。このテストは、主にブラウザーの性能を評価するものなので、その違いが現れたと考えられる。とはいえ、その差は気にするほど大きくはない。念のためにグラフで比率を確認しておこう。

　意外な結果が出たのは、iMovieによるビデオファイルの出力に要する時間を計測するテストだった。これは、約50秒の4KビデオをiMovieのプロジェクトに読み込んで、それを低い解像度のビデオに再エンコードして出力するもの。iMovieでは選択可能なオプションが限られるので、iMacでは480p、iPadでは540pのフォーマットで出力してい

る。

　出力するデータ量からすれば、iPadの方が多いが、iPadの方がiMacよりも2倍ほど速いという結果となった。

　どうしてこのような結果になるのか、これだけで類推するのは難しい。同じ条件でiPad Airは、iPad Proよりもさらに2倍ほど高速という結果も出ている。ストレージへの書き込み速度が影響しているとも考えられるが、今のところ原因は不明とするしかない。

　全体としてM1搭載のiPad Proは、同じくM1搭載のiMacに勝るとも劣らない性能を示している。ハードウェアのポテンシャルとしては完全に肩を並べたと考えていいだろう。