このページの本文へ

内圧に耐えて、耐え抜いた形状

凸凹ペットボトルの「炭酸水」苦労話がスゴイ

2021年07月09日 20時30分更新

文● ナベコ 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 サントリー食品インターナショナルは「THE STRONG 天然水スパークリング」を6月29日から発売中。すでにコンビニ、スーパーなどに並んでいますが、氷山を思わせる凹凸形状のペットボトルが目を引きますね。

 サントリー天然水史上最高レベルのガス圧を充填した天然水。実はこの商品、中の炭酸水はもちろんですが、実はそれ以上か同等に、ペットボトルの凹凸感に力を入れているそうなんです。

 天然水市場は近年のぼり調子。特にコロナ禍においては、ストレス発散や家呑みのアルコールの割材需要で規模も拡大しています。サントリーとして注目したのは、炭酸水が単なる“飲料”としてではなく、炭酸の刺激で「スカッとしたい」「リフレッシュしたい」といった声があり、気分の切り替えツールとして求められている点。そこで、中身の炭酸の飲み心地だけではなく、視覚、触覚なども含む五感で刺激を増せないかとペットボトルのフォルムに注目。

 五感を刺激する炭酸水として、ペットボトルは水源である山波をヒントに、ボトル全体で氷の山をイメージさせる、鋭い角のあるフォルムを目指すことに。ただ、コンセプトはかたまっても実現させることは非常に困難だったそうです。というのも……、炭酸飲料はペットボトル内に炭酸ガスが入っているので、通常は凹凸を作ったとしても、熱や光により徐々に炭酸ガスが膨張し、内圧がかかることで、最終的に容器表面がツルツルになってしまいます。確かに、ほとんどの炭酸水のペットボトルは滑らかな形状ですよね。

 サントリーコミュニケーションズ デザイン部の山岸さんによると「デザインコンセプトが固まるタイミングで、容器を設計する包材担当者とも協議をしましたが、最初のリアクションとしては、『これは絶対に無理』『内圧に耐えられるわけがない』という意見をバシっと言われました」とのこと。

この凸凹、最初は「絶対に無理」と言われたそうな

 それでも諦めずに凸凹させながら内圧に耐えられるデザインを実現したのが「THE STRONG 天然水スパークリング」。通常のボトル開発の5倍である100パターン以上もの大量の試作ボトルを作るなど涙ぐましい開発努力がされています。手にとった瞬間に凹凸が感じられるよう、0.1mm単位での凹凸の高さの修正するなど、こだわりは細部にまで。

キャップは開けた瞬間に「ポッ」と開栓音が鳴る仕様で、聴覚にも訴える狙い。510mlペットボトル(100円税別)、1050mlペットボトル(160円税別)。

 実際に手に取ると、触った瞬間に「あ、凹凸している」と触感からのおもしろさがダイレクトに伝わってきます。不思議と、ゴロゴロとした手触りがあると直感的に親しみがわいてきます。おそらく……、個人的な見解ですが、凹凸していることによって“無機質ではない”という安心感がわくのと、なんとなく“おもちゃに触れた”に近い感覚があるのではないかと思いました。

 最近「強炭酸」はいろいろなブランドから出ていて、買う時に迷ってしまうことも。サントリーさんはそんな中、容器のフォルムで差別化をはかってきました。ユニークですね。

■関連サイト


■「アスキーグルメ」やってます

 アスキーでは楽しいグルメ情報を配信しています。新発売のグルメネタ、オトクなキャンペーン、食いしんぼ記者の食レポなどなど。コチラのページにグルメ記事がまとまっています。ぜひ見てくださいね!

 ご意見、要望、ネタ提供などはアスキーグルメ公式Twitterまで
 →アスキーグルメ (@ascii_gourmet)

カテゴリートップへ

もぐもぐ動画配信中!
アスキーグルメ 最新連載・特集一覧