このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

Apple M1搭載で大幅性能アップの「iPad Pro」&カラフル7色「iMac」特集 第34回

M1搭載iMac 24インチのパフォーマンス徹底検証

2021年06月26日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

M1搭載iMac 24インチ

 新しい24インチのiMacについては、筆者としてすでにファーストインプレッションの記事「【レビュー】M1搭載iMacは異次元のデスクトップコンピューターだ!」と、全般的なレビュー記事「M1搭載「iMac」は24インチで4.5Kという実に「ちょうどいい」サイズ」をお届けした。

 今回は、そのレビュー記事で予告したように、iMac 24インチモデルのパフォーマンスを評価するためのベンチマークテスト結果についてまとめた。ただし、その前に新しいiMacのスペックを、現行の他のiMacと細かく比較しておこう。パフォーマンスの違いの要因が明らかになるだけでなく、現状でどのiMacを選ぶべきかの指標としても役立つ。また最後に24インチモデルの中で、どれをどんなオプションで選ぶべきかについても簡単に考察する。

iMac3モデルのスペック比較

 はじめに、現在Apple Storeで新品を購入可能なiMacの3種のモデルのスペックを確認する。この3種類は、今回発売された24インチモデルと、従来からある27インチモデル、そして21.5インチモデルだ。このうち21.5インチモデルについては、Apple StoreのウェブページでMacの機種を選ぶバナーには表示されないが、27インチモデルの購入ページに行くと、21.5インチモデルを選択できる状態になっている。

 また同様に「仕様」のページでも、21.5インチと27インチのいずれかを選択可能となっている。この、現在購入可能な21.5インチモデルは、iMacでありながら、独立したGPUを実装していない最廉価版であり、教育市場向けのモデルと考えられるもの。今後いつまで購入可能か不明だが、それほど遠くないうちに24インチモデルに置き換えられるものと考えられる。

 今回はその21.5インチモデルも含め、画面サイズで3種類にわけてスペックを一覧表にまとめてみた。

 プロセッサ(CPU)やグラフィック(GPU)の違いは当然として、レビュー記事でも述べたように、24インチモデルは、特にディスプレーの仕様で、これまでの21.5インチモデルから長足の進歩を遂げたことが分かる。サイズとピクセル解像度を除けば、品質的には27インチモデルに肩を並べたと言っていい。ただ、27インチモデルが、オプションで高い反射防止効果を発揮するNano-textureガラスを選べるのに対し、24インチモデルでは選べないのが残念だ。

 もう1つ、デスクトップ機としては不満を感じる人がいるかもしれないと思われるのは、外部ディスプレー出力を1台しかサポートしていないこと。この点はほとんど唯一、21.5インチモデルにも劣る部分だ。同じM1チップを搭載するMacBook AirやMacBook Proとも同等の仕様なので、これはおそらく現状のM1チップの限界と思われる。マルチディスプレー環境を考えている人は、よく注意して検討する必要がある。

 メモリやストレージについても、上限はMacBook AirやMacBook Proと変わらない。これもM1チップの特性なので、iMacがM1を採用した時点で逃れられない制約となっている。

 その一方で、拡張性についてはMacBook AirやMacBook Proよりも優れている。2つのThunderbolt/USB 4ポートは共通だが、iMacはさらに2つのUSB 3ポートも備えている。ただし、これまでのiMacにあったUSB-Aポートは完全に省かれてしまった。とはいえUSB-C形状のポート数では、27インチモデルの2つを上回っているので、拡張性が極端に劣るということはないだろう。USB-Aポートの欠如は、現状では不便を感じることがあるかもしれないが、やがてこれが普通になるはず。もう1つ留意すべきは、これまでのiMacには標準装備されていたSDXCカードスロットが省かれたこと。これについては、最近のネットワーク共有環境を考えれば、強い不満を抱く人はそれほど多くないと考えられる。

 その他、内蔵カメラは27インチモデルにやや劣るが、スピーカーの音質、空間オーディオ機能では完全に凌駕している。これは、24インチモデルの大きさや薄さを考えると驚異的と言っていい。

 これまで触れてこなかったが、iMac24インチには7コアGPUモデルというものも存在する。これは、M1搭載MacBook Airの最廉価版と同様のスペックとなる。そうすることで、チップの価格がどれだけ下がるのかは、正直疑問だが、おそらく教育市場向けに位置づけられる製品だろう。7コアGPUモデルでは、2つのUSB 3ポートが省かれ、ギガビットEthernetがオプションになり、Magic KeyboardのTouch ID機能も省かれるなど、他の点も仕様が簡略化されている。このうちEthernetについては、+3000円のオプションで装備可能だ。(このオプションは、これこれこういうもので、もちろんEthernetの機能、性能としては上位モデルと同等となる。貴重なThunderbolt/USB 4ポートが専有されてしまうこともないので/されてしまうので……)。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII.jp RSS2.0 配信中