ローランドは、ストリーミング・ビデオ・スイッチャー「V-160HD」のオンライン新製品発表会を6月24日に開催した。
本製品はストリーミングに必要な映像/音声出力および合成機能のほか、本番中の操作の負担を軽減する自動化機能などをポータブル・サイズの本体に詰め込んだストリーミング・ビデオ・スイッチャー。
近年増えている、ライブ配信やバーチャルで実施する「オンライン・イベント」と、会場に集客して対面で行なう「リアル・イベント」を組み合わせた「ハイブリッド・イベント」に最適とうたう。
一般的なAV機器で使用されるHDMIに加え、業務用カメラに搭載されることの多いSDIの入出力に対応。HDMI8系統、SDI8系統と、合計16系統の映像入力をもとに演出が可能。
また、すべての入力に異なる映像信号を接続してシームレスに切り替えられるフレームレート・コンバーターを搭載。4つのHDMI入力には、スケーラーが内蔵されているので、パソコンやタブレット/スマホ/ゲーム機などの多様な解像度、縦横比を持つ機器との接続にも幅広く対応するという。
新機能の「シーケンサー」は、画面構成や音声設定をあらかじめ登録したプリセット・メモリーと本体操作の流れを記録するマクロを組み合わせ、より操作性を高める機能で、プリセット・メモリーとマクロを使う順番通りに並べておき、イベントの進行を見ながらそれらを実行できる。
あらかじめシーケンサーに登録しておくことで、イベントの進行に合わせて「NEXT」ボタンを押すだけで操作が完結するため、多忙なイベント本番中でもオペレーターの負担を低減しながら、多彩な映像演出を可能にするという。
音声関連機能としては最大40チャンネルのオーディオミキサーを内蔵するほか、リアル会場とライブ配信で異なる音声出力ができるAUXパスを搭載。音声調整はもちろん、音声を感知して自動で音量を調整する「オート・ミキシング機能」も搭載しており、省力化をサポートする。
V-160HDは7月下旬発売予定。実売価格は80万円前後の見込みとなる。
なお新製品発表会では、本製品とインスタント・ビデオ・プレイヤー「P-20HD」と組み合わせた使用方法も解説された。
P-20HDは、録画を続けたままハイライトシーンまで遡れるリプレイ機能やスロー再生機能などを直感的に操作できるのが特徴。V-160HDなどのビデオ・スイッチャーと組み合わせることで、今後、一般的になることが予想されるハイブリットイベントなどで活躍するという。
今後、P-20HDには動画ファイルのエクスポートや、線や文字などを映像の上に書き込める機能(アノテーション)なども追加される予定。