ユーザーインターフェース面での強化が目立った「iPadOS 15」
iPadOSは、主にユーザーインターフェース面での強化が目立っていたという印象だ。その最たるものは、ホーム画面にウィジェットを置けるようになったことだろう。
これにより、iPadがよりシームレスに操作できるようになるのは確かだろう。ただし正直に言えば、筆者個人としてはあまり感心がない。筆者もiPadは毎日のように使っているが、その中でホーム画面を開いたまま眺めているという時間帯はほとんどないからだ。言い換えれば、常に見ているのはアプリの画面であって、ホーム画面はむしろごくたまに、普段使っていないアプリを起動するための通過点に過ぎないのだ。
マルチタスクも、かなり便利にできるようになるようだ。それについても、やはりあまり興味がない。マルチタスクが必要になるような作業は、ほぼ必ずと言っていいほどMac上でするからだ。もちろん、普段Macは使わずに、ほとんどなんでもiPadでこなしてしまうという人にとっては、今回の新バージョンの使い勝手の向上は、かなりありがたいものとなるはずだ。
これもiPadOSとは直接関係ないが、iPad用のアプリSwift Playgroundsで、iOSやiPadOSの独立したアプリも開発できるようになるようだ。しかも、完成したアプリをApp Storeに掲載するところまで可能だという。
これは、もちろん歓迎すべきことだが、これまでのSwift Playgroundsの発展を見てきた人には、特に驚くべきことでもないだろう。むしろ心配になるのは、Xcodeで開発する場合に比べて、開発の自由度や成果物の品質を保つのが難しいのを、どのように克服するかということ。Xcodeに付属するような高度なデバッガーも利用できない。結局のところ、Final Cut Proや、LogicProに対する、iMovie、GarageBandのような位置づけのものでしかないだろう。それでも、Swift Playgroundsでそこまでできるようになったことは素晴らしい。キーノートでは、Mac版のSwift Playgroundsについては何の言及もなかったが、これまでiPad版とMac版は歩調を合わせて進化してきた。Mac版でもアプリを出版するところまできるようになることに期待したい。MacにはXcodeがあるが、手軽さでは雲泥の差があるのだ。
この連載の記事
-
第22回
Apple
仕事&エンタメに無双の活躍!macOS Montereyパブリックベータを試す -
第21回
Apple
iPadとMacの境界がさらに曖昧になる「iPadOS 15」パブリックベータの注目点 -
第20回
Apple
アップル次期macOS「Monterey」成熟が楽しみなパブリックベータ注目ポイント -
第19回
Apple
アップル「iPadOS 15」は日本語の手書き文字認識に対応で、仕事にも勉強にも便利 -
第18回
Apple
iPhone「iOS 15」パブリックベータを体験! 即戦力になる機能はこれだ -
第17回
Apple
Apple Watch「新watchOS 8」パブリックベータ、集中モードやマインドフルネス試した -
第16回
iPhone
iOS 15のパブリックベータが広くインストール可に 新機能「集中モード」に注目 -
第15回
iPhone
iOS 15/iPadOS 15のパブリックベータが登場 -
第14回
Apple
アップル担当者に聞くwatchOS 8に初搭載「マインドフルネス」アプリの効果 -
第12回
Apple
Apple Musicに「空間オーディオ」登場! 楽しむ方法を徹底解説 - この連載の一覧へ