このページの本文へ

DeskMini採用でコンパクトながらストレージ増設も可能、「GeForce NOW」も快適動作!

テレワークに最適! Ryzen 3 PRO 4350G搭載の超小型PC「Radiant SPX2800X300A」、息抜きに話題の「VALORANT」も遊べる!

2021年06月17日 14時00分更新

文● 宮里圭介 編集●八尋/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「Radiant SPX2800X300A」

 小型のデスクトップパソコンは、拡張性ではタワー型に劣り、手軽さではノートパソコンに負けるという、ちょっと特殊なマシンだ。

 しかし、よくよく考えてみれば、タワー型が必要になる用途といえばグラフィック性能が重要な3Dゲーム、もしくは、CPU性能がモノを言う4K動画・写真編集くらい。よほど性能にこだわる場合でない限り、タワー型である必要がないことに気が付くだろう。

 また、パソコンを快適に使うという面から考えてみると、大きな画面と打鍵しやすいキーボード、操作性に優れたマウスというのは譲れないラインだ。ノートパソコン本体にこれらを求めることはまず無理で、外付けの周辺機器に頼ることになる。周辺機器をつないで使うなら、ノートパソコンの気軽に移動できるというメリットはなくなってしまうので、むしろ、インターフェース数が少ないことへの不満の方が大きくなる。

 とくに在宅ワークであれば、快適なパソコン環境を整えられるかどうかで仕事の効率が大きく変わる。あまり考えずにノートパソコンを買って、結局デスクトップと変わらない使い方をしてしまう……というのはよくあるパターンだ。

 こういった人にピッタリなのが、サイコムが販売するコンパクトなデスクトップパソコン「Radiant SPX2800X300A」だ。容量約1.92リットルで、およそ幅80×奥行155×高さ155mmというコンパクトなボディーに、高性能なRyzen APUを搭載。普段使いのメインパソコンとして、しっかりと期待に応えてくれるだけの実力がある。

 今回はそのハードウェア部分を中心に、この省スペースPCの魅力をお伝えしていこう。

容量約1.92リットルと超コンパクトサイズなのが特徴

Radiant SPX2800X300Aの主なスペック
CPU Ryzen 3 PRO 4350G(3.8GHz~最大4.0GHz)、4コア/8スレッド
グラフィックス Radeon Graphics
メモリー 8GB(試用機は8GB×2)
ストレージ 480GB SSD(Crucial CT480BX500SSD1)
マザーボード AMD X300チップセット搭載マザーボード
PCケース ASRock DeskMini X300+防塵フィルター SST-FF141
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)
インターフェース(前面) USB 3.1 Gen1、USB 3.1 Gen1(Type-C)、マイク入力、ヘッドフォン出力
インターフェース(背面) USB 2.0、USB 3.1、DisplayPort出力、HDMI出力、D-Sub出力、有線LAN端子、ACアダプター入力
サイズ およそ幅80×奥行155×高さ155mm
OS Windows 10 Home(64bit)

ぎっしり詰まっていても、ストレージの追加ができる!

 小さなパソコンになるほどインターフェースは少なくなってしまうのは仕方がないことだが、それでもRadiant SPX2800X300Aはかなり充実している。とくにディスプレー出力がDisplayPort出力、HDMI出力、D-Sub出力の3系統あり、本体だけでマルチディスプレイ出力に対応しているのがうれしい。

前面はUSB 3.1 Gen1×2(Type-C1つを含む)とマイク入力、ヘッドフォン出力を配置

背面はUSB 3.1、USB 2.0、有線LAN、DisplayPort出力、HDMI出力、D-Sub出力を備える

 USBはType-Cを含め合計4ポートあるので、必要ぶんはしっかりと確保されているといったところ。なお、背面の1つはUSB 2.0となるので注意。こちらはキーボードなどの接続用として使い、外付けHDDなどを接続する場合は、USB 3.2 Gen1の青いポートを使うようにしよう。

 ビデオカードなどの拡張ボードは増設できないものの、ストレージはM.2 SSD×2、2.5インチSATA×2の最大4つまで搭載できる。ただし、ケース内はとても狭いので、自作パソコンに慣れている人でなければ、自力で作業するのは少々厳しい。大容量HDDなどを追加しておきたいという人は、BTOオプションで増設しておくといいだろう。

中身は背面のネジを外すだけで簡単に引っ張り出せる。省スペースを実現するため、部品が高密度に実装されているのが分かる

マザーボードの手前側にあるのがM.2のスロット。ここにSSDを装着可能だ。なお、もう1つのM.2スロットはマザーボードの裏面にある

引っ張り出した中身を裏返したところにあるのが、2.5インチベイ。BTOでストレージの追加ができるほか、自力でも増設できる

GeForce NOWでのゲームプレイや「VALORANT」など負荷が低めのゲームはしっかり遊べる!

 3Dグラフィックを多用するようなゲームはビデオカードが必須となるが、Radiant SPX2800X300Aが搭載しているRyzen APUは性能が高めのグラフィック機能が内蔵されているため、軽めのゲームなら遊べる可能性が高い。

 たとえば、最近最大1時間までなら無料で利用可能になった「GeForce NOW」。こちらのWindows PCのシステム要件は2.0Hz以上のデュアルコアX86 CPU、4GB以上のシステムメモリー、Radeon HD 3000シリーズ以上となっている。この部分に関しては、Radiant SPX2800X300Aは問題なく快適に動作する性能を持っているといえる。

1回あたり1時間限定のフリープレイが実装された「GeForce NOW」は、しっかりと動作した

 また、GeForce NOWでパソコンのスペックとは別に重要なのが、回線速度だ。システム要件としては、有線または5GHzのWi-Fi環境となっている。最近のスタンダードなノートパソコンは有線LAN端子を省略するモデルも少なくないが、Radiant SPX2800X300AならもちろんギガビットLANを備えているため、安定した速度でのプレイが可能だ。

 人気のFPS「VALORANT」ではどうだろうか。こちらは推奨スペックがCore i3-4150とGeForce GT730となっている。Ryzen 3 PRO 4350Gに内蔵するRadeon Graphicsは、GeForce GT730と比べても性能は結構高いので、問題なくプレイできることが期待できる。結果は、最低画質にすれば120~140fps前後で遊べるため、カジュアルに本作を楽しみたいという人であれば十分にプレイ可能だ。

 そのほか、配信などでも人気の「Among Us」「Ultimate Chicken Horse」「Overcooked! 2」など、Steamの負荷が軽めのゲームなども、いずれも問題なく遊ぶことができる。

 今回試した構成では、CPUが「Ryzen 3 PRO 4350G」とRyzen 3 Pro 4000シリーズの中では一番下となっていたので心配だったが、色々と試してみてこの心配が杞憂だということがスグにわかった。なお、メモリーは標準構成と異なり、8GB×2のデュアルチャネルとなっていたので、これによりゲームの快適さは少し上がっていると予想される。こちらは標準の価格から+6740円で強化可能なので、テレワークの息抜きにちょっとゲームも遊びたいという人は、予算に余裕があれば強化しておくことをオススメしたい。

息抜きに軽めのゲームも遊べちゃう在宅ワーク用として最適

 場所を取らないコンパクトなデスクトップながら、一般ソフトを使うのに十分な性能をもち、さらに本体だけでマルチディスプレー構成も可能というのがRadiant SPX2800X300Aの魅力といえる。

 また、3Dゲームがバリバリ遊べるほどのゲーミング性能はないとはいえ、ちょっとした息抜きや気分転換用の軽めなタイトルなら、意外と遊べてしまうというのもうれしいポイントだ。

 パソコンの快適さが仕事の効率アップにも繋がるだけに、在宅ワーク用のパソコンを買い替えたいと考えているなら、なかなか魅力的な候補となってくれるだろう。

 今回は主にRadiant SPX2800X300Aの本体のハードウェア面をチェックしたが、次回はもう少し細かく性能面からチェックしよう。

■関連サイト

カテゴリートップへ