Apple M1搭載で大幅性能アップの「iPad Pro」&カラフル7色「iMac」特集 第32回
M1搭載「iMac」は24インチで4.5Kという実に「ちょうどいい」サイズ
2021年06月02日 12時00分更新
4.5Kに対して5段階の解像度設定が可能
新しいiMacもこれまでのMac同様に、ディスプレーの実質的な解像度設定をユーザーの好みや視力に応じて5段階に設定可能だ。システム環境設定の「ディスプレイ」で、「解像度」の設定として「ディスプレイのデフォルト」ではなく「変更」を選択することで調整できるようになる。
4.5Kというくらいなので、ディスプレーのハードウェアとしての最大解像度は4480×2520ピクセルとなっている。しかし、この解像度をフルに活かそうとすると、ユーザーインターフェースや文字など、細かすぎて人間の目には判別しにくくなる。そのため、デフォルトの設定では「疑似解像度」として2240×1260が設定されている。これは、縦横ともハードウェア解像度の半分で、見かけ上の1ピクセルを、2×2の4つのピクセルで表すことになる。Retinaディスプレーとしての標準的な表示方法だ。それでハードウェアの解像度がムダになるわけではない。これは、あくまでも表示の大きさを決めるための指標であり、文字の複雑な形状を表す輪郭や画像の中のピクセルは、ハードウェアの解像度をフルに活かした表示となる。
これまでのMacと同じように、疑似解像度の設定は「文字を拡大」から「スペースを拡大」までの5段階だ。この「文字を拡大」や「スペースを拡大」という表現は、どういう状態を指しているのか、やや分かりにくい。元の英語では、それぞれ「Larger Text」と「More Space」となっており、わかりやすく言い換えれば「より大きな文字」と「より広い範囲」となるだろう。また、設定の左端が「文字を拡大」で、その右の2つには何も表示がなく、次が「デフォルト」、右端が「スペースを拡大」となっているのも、ちょっと奇妙だ。これらは、左に行くほど文字が大きくなり、右に行くほど表示領域が広くなると解釈すれば納得できる。そして、デフォルトはその間のちょっと右より、ということになる。
とはいえ、これだけでは、各設定でどれくらいの文字の大きさや領域の広さになるのか直感的には分かりづらい。そこで、いつものように空白のGoogleスプレッドシートをSafariで開き、それぞれの解像度でフルスクリーン表示した場合の縦横のセルの表示範囲を調べた。各設定の「疑似解像度」とともに一覧表にしたものを示す。
なお、4.5Kで24インチというサイズは、デフォルトの設定でも、スプレッドシートでかなり広い領域を表示できる。比較的大きなスプレッドシートを扱うことの多い人には、従来の21.5インチモデルと比べて、この点だけでもかなり使いやすく感じられるはずだ。参考までに、デフォルト設定でのフルスクリーンのスプレッドシートの状態のスクリーンショットを示しておく。
もちろん、ディスプレーの表示品質は解像度だけによって決まるものではない。目で見てある程度判断できるものとしては、色の再現性や最大輝度などがある。もちろん目で見ただけで定量的に評価できるわけではないが、そうした体感的な特性も、スペックを見れば、ある程度の察しは付く。新しい24インチモデルの仕様には、ディスプレーの解像度以外の特性として、「十億色対応」、「500ニトの輝度」、「広色域(P3)」と記述してある。これらは、それぞれ微妙な色の違いの表現力、ディスプレーの輝度を最大にしたときの明るさ、色の再現範囲の広さを表す尺度と考えられる。
そして、これらの特性は、同じiMacで比べれば、27インチモデルと同等のものとなった。従来の21.5インチモデルの仕様には、「数百万色以上」とあるだけで、輝度や色域についての記述はない。これは、これらすべての点で27インチモデルに劣っていたと考えられる。従来から、21.5インチモデルは一般ユーザー向け、27インチモデルは(ライトな)プロユーザー向けという、区分けがなんとなく存在していたと考えられる。それが新たな24インチモデルでは、画面サイズについては相変わらず一般ユーザー向けを主体とするものと思われるものの、その他のディスプレー仕様では、プロユーザー向けの領域に入ったと言っていい。それは、MacBookシリーズのディスプレーの仕様と比べてみても明らかだ。
特に、MacBookシリーズのポータブルなディスプレーでは得られない「十億色対応」は、iPadのような本体の薄さと軽さを実現しながら、紛れもないデスクトップ機としてのiMac 24インチモデルの価値を高める大きな要因と言える。
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