今回のオスス麺は、激戦区・吉祥寺駅前にありながら常に行列の絶えない超人気店「つけ麺 えん寺(えんじ)」。
今でこそ、「ベジポタ」という言葉がラーメン好きの間ではポピュラーになっていますが、このお店無くして「ベジポタ」という言葉は生まれませんでした。
「ベジポタ」とは「ベジタブルポタージュ」の略で、ジャガイモ・タマネギ・ニンジンなど数種類の野菜を用いた濃厚なペーストを、動物系白湯スープや豚骨魚介と合わせたスープの事。
考案した店長さんは、日本全国で色々なものを食べ歩き、日本そば店で食べた「とろろそば」からアイディアが生まれ、「えん寺」のつけ麺として具現化され、評論家の石山勇人さんによって「ベジポタ」と名付けられ、世に広まっていきました。
古くは、「天下一品」こそが「ベジポタ」の元祖では無いかとも言われますが、「ベジポタ」ならではの特徴を強く打ち出して世に広めたパイオニアは間違いなくこの「えん寺」です。
「えん寺」は、野方の「つけ麺 花みずき」の姉妹店として、2008年10月23日に東高円寺でオープンしました。
2000年代中盤から濃厚魚介豚骨つけ麺が注目を集め、2006年から2008年にかけては「とみ田」「風雲児」「六厘舎」などがオープンした事によって爆発的なブームとなりましたが、その中でも他の濃厚魚介豚骨とは違った「ベジポタつけ麺」を作り出したこの「えん寺」も歴史に名を残すべき名店だと思います。
2010年2月22日には、現在「総本店」となっている吉祥寺店がオープン!
その後、2010年9月2日には中野に「二代目えん寺」、2011年2月18日には姉妹店となる渋谷の「道玄坂マンモス」、2013年4月5日に「つけ麺 えん寺 池袋店」がオープンし、現在は相模原の「夜鳴き軒」も手掛けるようになりました。
メニューは、「ベジポタつけ麺」と「ベジポタ辛つけ麺」の二本立てで、他は「味玉」や「肉入り」といったトッピングがあるのみという何とも潔いシンプルな構成。
特に限定をやったり味を変えたりする事無く、つけ麺専門として長い年月いつもこれだけ行列を作っているのは凄い事だと思います。
数種の野菜をペースト状にして豚骨魚介スープに溶かし込んだつけ汁は、トロンとした高い粘度を持ち、キメ細やかでポッテリした特徴的な口当たり。粘度の高さに比例する濃厚さを持ち甘味も強く感じられますが、油っこい重さやしつこさを一切感じさせない「ベジポタ」ならではの後味のスッキリさで病みつきになる味わい!
「ベジポタ辛つけ麺」の方には刺激的な強い辛味が加えられてインパクトがありますが、元のつけ汁の魅力を損なう事無く、その味わいをしっかり楽しめる仕上がり!
そのままでも結構辛いですが、「大辛」や「激辛」にするのも可能との事なので、激辛好きの方も楽しめるかも!?
「ベジポタつけ麺」も「ベジポタ辛つけ麺」も、かなり粘度が高く麺にたっぷり絡みつく上、元々つけ汁の量が多くないので後半には足りなくなってしまうのでは!?という不安がありますが、つけ汁が足りない場合は無料で足していただける嬉しいサービスもあります!
「ベジポタ」と呼ばれるつけ汁は勿論「えん寺」を語る上では外せませんが、実はつけ汁だけで無く「麺」も凄いです!
「極太胚芽麺」「太もちもち麺」「国産小麦」と3種類の中から選べる麺はそれぞれ特徴があり、一番人気で「えん寺」のスタンダードとも言える「極太胚芽麺」は、一般的な全粒粉以上に強い風味が感じられ、噛むほどに味が滲み出てくるような深みのあるもので、濃厚なつけ汁に負けない力強さをもったもの。
「太もちもち麺」はウドンのようなふんわりモチモチした食感で、つけ汁の美味しさを引き立ててくれ、「国産小麦麺」は風味・食感・喉越しの良いバランス型の麺になっています。
野菜の持つ優しい甘味や特徴的なトロミを楽しめる濃厚なつけ麺は、一般的な濃厚動物魚介つけ麺とは一線を画す一杯。オリジナリティあふれる元祖「ベジポタつけ麺」をぜひ体験してもらいたいオススメのお店です!
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店にご確認ください。
ZATSU
2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。
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