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ジェフ・バーエバのポジティブトーク、札幌移住&転職、oViceの概要と利用体験

オンライン開催の「JAWS DAYS 2021」でre:Connectしてきた(オオタニ編)

2021年04月05日 07時00分更新

文● 大谷イビサ 文●ASCII編集部

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バー氏が語る「Rethink, Reinvent, Rebuild」

 11時半からは米AWS バイスプレジデント兼チーフエバンジェリストのジェフ・バーさんによる基調講演になる。日本にも頻繁に来日しており、昨年のJAWS SONIC & MIDNIGHT JAWSでも講演してくれたが、今回は「Rethink, Reinvent, Rebuild(再考、再発明、再構築)」というタイトルで、どこまでも前向きなポストコロナのエンジニア道を披露した。

シアトルから登壇したジェフ・バー氏。今回は同時通訳入り

 まずはプロフィールから説明する。1960年生まれのバーさんは、今年で60歳を迎える。学生時代、シアトルのコンピューターショップで働いていたことがきっかけで、コンピューターの書籍や雑誌を読みあさり、最若年という立場でお客さんからの質問に答えていたという。「そのときから45年経っているが、技術を理解して、人々にそれを説明するという意味では本質的に同じ仕事をしている」とバー氏は語る。

 その後、ソフトウェア開発コンサルティングやマイクロソフトでのWebサービス開発など、IT業界で経験を積んで2002年にAWSにジョイン。2004年から始めたブログはすでに3000本を超えているほか、大学で博士号を取得したり、今もアクティブに活動している。日本については、「年に3回は日本に来て、さまざまな人と出会い、友情を育んできた。日本の文化、歴史、人々、食べ物。本当にいい記憶しかない」とバー氏は語る。

 Rethinkは現状の把握だ。コロナ禍でリモートワークやオンラインイベントが当たり前となり、すべては激変した。バー氏は「地に足のついていない不安定さ」や「すべてのボルトが緩んだ感覚」を覚えたという。「プログラマー的に言うと、定数として捉えていたものが確固としたものでないことがわかり、いろいろな変数が登場した」と指摘する。しかも、この事態は一時的なものとは感じられない。しかし、こうした機会こそイノベーションは加速し、人々もそれを受け入れる土壌が整った。これこそ大きな変革。まさに自らのアイデアとスキルを活かすとき「これは素晴らしい変化の機会。Think Bigな機会だ」とバー氏は語りかける。

 Reinventのためのツールや機会は用意されている。バー氏は、「新しいテクノロジーを深掘りし、マスターする」「学んだことを共有する」などをアドバイスする。バー氏はオンラインプレゼンの精度や動画配信のスキルを向上するためのチャレンジを紹介。「昔は『家で仕事していて、直接会えないで、ごめんなさい』と言っていたが、自宅からやったほうがうまくできるかもしれない」と、ホームオフィスの配信環境を整えている。

Reinventのためのツールは整っている

 プレゼンやイベントだけでなく、オンライン学習にも新しい波が訪れている。ハーバード大学の「CS50」はなんと260万人が視聴している。単に講演の動画だけではなく、オンライン黒板が映し出されるという。MIT(マサチューセッツ工科大学)のディープラーニングのクラスは100万人が視聴しているという。「Registation is now open to all」という説明についてバー氏は、「この講義が受けようと思ったら、まず学生になり、高い学費を払い、学校に通わなければならない。でも、これが全部ひっくり返ったんです。世界のどこからでも、学ぶ意欲があれば、誰でも登録できる。これは素晴らしい」と語る。

オンライン教育の普及で学びの機会は広がっている

 最後にバー氏は聴衆にRebuildへのチャレンジをアピールする。「未来は明るいと確信している。テクノロジーを学んで、新しいスキルを磨いて、新しいアイデアを活かしてほしい。そして、実行に移してほしい」と語り、講演を終えた。新型コロナウイルスに関して、決して明るいとは言えない状況にありながら、どこまでもポジティブに時代の変化をとらえるバー氏のコメントに勇気を得られた。

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