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オンライン開催の「JAWS DAYS 2021」でre:Connectしてきた(オオタニ編)

2021年04月05日 07時00分更新

文● 大谷イビサ 文●ASCII編集部

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 2021年3月20日、JAWS-UGの年次イベント「JAWS DAYS 2021 -re:Connect-」が開催された。3000人以上に応募が膨らんだという未曾有の規模となったオンラインイベントとなった今回のJAWS DAYS 2021。ライター重森さんのレポートに続いては、アスキー編集部オオタニのレポートをお届けする。

長崎社長がパーカー姿で登壇! JAWS DAYSの一日が始まった

 我が家は土曜日もけっこう忙しい。朝からゆっくりチコちゃんでも観たいところだが、かみさんは仕事、娘は学校があるため、出かける人の代わりに朝食、洗濯、お風呂掃除などをやらなければならないのでバタバタだ。しかも、先週の土曜日はたまたま息子のMinecraft初日だったため、朝からアカウント作りを初めてしまった。朝10時に始まるJAWS DAYSに間に合うのか?

 そんなこんなで、ちょっと遅刻して参加してしまった。しかし、オンラインなので、会場に入れないとか、声が聞こえないといったこともない。実行委員長の実行委員長 山口 正徳さんが挨拶しているかと思いきや、なんだかAWSジャパンの長崎忠雄社長がJAWSパーカーを着て登壇していてびっくりした。

長崎忠雄社長がJAWS-UGパーカーを着て挨拶

 長崎社長は、「JAWS DAYSで共有されるさまざまなユースケースや知見を持ち帰って、皆さん自身の新しいチャレンジの糧としてください。コロナで会えない多くのユーザーとre:Connectしてください」とコメントし、5月11日・12日のAWS Summitを告知。続いて山口さんの開会宣言でJAWS DAYSの1日が始まった。

山口さんが開会を宣言

 JAWS SONIC & MIDNIGHT JAWSで大好評だったジングル・幕間ムービーもますますパワーアップし、朝からテンションが上がる。まずはAWSジャパンのシニアエバンジェリスト 亀田治伸さんが「新しいライフスタイルとクラウド。そして【学ぶ】ということ」というテーマでセッションを披露した。

 JAWS DAYSでも、JAWS FESTAでも、毎度興味深いトピックをぶち込んでくる亀田さんだが、今回はコロナ禍を経て、クラウドが個人の仕事や生活、そして社会全体にどのような影響を与えたのか、そしてわれわれはこれからの変化にどのように対応すべきかを解説してくれた。今回は初参加者を意識したのか、マニアックな技術話は封印し、説明も丁寧だった印象。こちらに関しては、いち早くアップしようと午前中がんばっていたが、別記事でまとめてみたので、ぜひ一読いただきたい(関連記事:AWS亀田さんが語る「コロナ渦におけるクラウドとコミュニティで学ぶ意義)。

 続いて、2019年8月以降活動がなかったAI支部のリブートも告知された。AI系はAWSのサービスの中でも特にホットな分野なので楽しみ。とはいえ、まだまだ難しいイメージもあるので、敷居を下げた内容を期待したいところだ。

5Gの低遅延をフル活用できるAWS Wavelengthの実力に迫る

 続いて視聴したのは舩原 一平さんの「AWS Wavelength 低遅延性能の実力に迫る!」というセッション。舩原さんは日置電機において、計測IoTサービス「GENNECT」を開発しており、SORACOM MVC 2019となっているIoTエンジニアだ。KDDIとソラコムと共同でAWS Wavelengthのトライアルに参加し、高精度な時刻同期を行なったという。コロナ禍ということもあり、「長野県から東京の実験場に行き着くのが一番大変だった」と舩原さんは語る。

 AWS Wavelengthはモバイルエッジコンピューティング(MEC)と呼ばれるサービスで5Gキャリアのデータセンター内でAWSのサービスが利用できるため、低遅延という5Gの特徴をフル活用できる。今まで無線通信で難しかった低遅延・高信頼の実現を目指す5Gでは、遅延1ミリ秒というスペックが挙げられているが、あくまでデバイスと基地局間が1ミリ秒で、サーバーまでは1ミリ秒となるわけではないという。「インターネットの遅延は本質的には制御できないため、低遅延・高信頼の用途にはMECを使う」ということで、MECが必要性を説いた。

 エッジの定義はあいまいで、AWSでもさまざまなエッジサービスがあるが、AWS Wavelengthは通常のAZと同じ感覚で利用できるのが大きな特徴。実際、メニューにおいてもAZが追加されたように見え、扱い方も通常のVPCとほぼ同じだとのこと。実際に試したみたところ、5G経由でWavelengthのEC2に対してPingを打つと10ミリ秒程度で安定しているが、5Gで大阪のEC2にインターネット経由でPingを使うと、遅延もばらつき、許容できない遅延が出てしまった。

AWS Wavelengthは既存のVPCのように利用できる

 また、NTPを用いたAWS Wavelengthの時刻同期の実験では1~2ミリ秒で安定していたものの、安定して1ミリ秒を切ることはできなかった。今後、求められる工場の自動化や自動運転のような低遅延・高信頼の用途に利用するためには、5Gの次のリリースやエリアの拡がり、デバイスの普及などを待つ必要があるが、現行のLTEやインターネットに比べれば確実に高い性能が出せることがわかったという。なによりも手を動かして検証する姿勢に頭が下がるセッションだった。

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