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Noctuaのクーラー&ファン搭載、PCケースはCoolerMasterの「Silencio S600」

静音にこだわったPCケース・CPUクーラー・ファンを採用、サイコムの長年の経験を活かしたデスクトップPC「Silent-Master NEO」

2021年03月21日 13時00分更新

文● 宮里圭介 編集●八尋/ASCII

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「Silent-Master NEO」

 水冷クーラーは確かに冷却能力が高く、高負荷時でもファン回転数を抑えられるぶん静音性は高くなりやすい。しかし、これはあくまで高負荷時のみの話。構造上、冷却液を循環させるために常にポンプが動いているほか、低負荷時でも低回転ながらもファンは動作を続けている。つまり、低負荷時でも、ある程度の駆動音が出てしまうわけだ。

 これに対して空冷クーラーは、高負荷時こそファン回転数が高くなりがちだが、低負荷時は低回転を維持でき、ポンプがないぶん水冷クーラーよりも静かにできるのだ。もちろん、実際の騒音はクーラーによっても大きく変わるため、必ずしもこのとおりというわけではないのだが、アイドル~通常利用の範囲であれば、騒音を抑えた静音PCとして組み立てることはできる。

 BTOパソコンを手掛けるサイコムでは、長年培われてきた経験をもとにした静音パーツの選定、組み立てを行なうことで、静音性に徹底的にこだわったPCを組み上げることに成功した。それが、「Silent-Master NEO」シリーズだ。

 今回はこのシリーズの中から、Ryzen搭載のミドルタワーモデルとなる「Silent-Master NEO B550A」を紹介しよう。

 なお、試用したPCのスペックは標準構成から大きく変更されており、CPUはハイエンドクラスのRyzen 9 5900X、メモリーは32GB、ビデオカードはGeForce RTX 3060 Ti搭載モデルへと変更されているものとなっている。サイコムでは豊富なBTOメニューが用意されており、試用機のように幅広いカスタマイズが可能なのも特徴だ。

サイコムが長年で培ってきた経験をもとに静音パーツを選定し、組み立てている

Silent-Master NEO B550Aの主なスペック
標準スペック 試用機のスペック
CPU Ryzen 5 3600 Ryzen 9 5900X
CPUクーラー Noctua NH-U12S(CPUグリス NT-H1付属)
グラフィックス GeForce GTX 1660 SUPER GeForce RTX 3060
メモリー 8GB 32GB
ストレージ 480GB SSD
マザーボード ASRock B550 Steel Legend
PCケース CoolerMaster Silencio S600+前面ファン:「Noctua NF-A14 FLX」、背面ファン: 「Noctua NF-S12A FLX」
電源 CoolerMaster V650 Gold-V2 MPY-650V-AFBAG-JP (650W/80PLUS Gold)
OS Widnows 10 Home(64bit)

静音性を実現するため厳選したパーツをふんだんに採用

 静音性を高める際に気を付けるのが、冷却性能をいかに確保するかということ。極端な話をすれば、ファンをすべて外してしまえば静かになるわけだが、これでは熱に負けて動作が低速になってしまうし、最悪熱でパーツが壊れてしまう心配すらある。静音と冷却性能のバランスをいかにとるかが重要だ。

 まずはSilent-Master NEO B550AのCPUクーラーを見てみると、採用されていたのは「Noctua NH-U12S」。大型のヒートシンクを使ったサイドフローの空冷クーラーで、冷却性能の高さから人気となっているモデルだ。搭載しているファンは120mmのNoctua NF-F12 PWMで、最大回転数1500rpmという低回転のもの。静音性の面でも非常に優れた製品となる。

冷却性と静音性という、相反する2つの特徴を備えたCPUクーラー「Noctua NH-U12S」。この静音PCの要ともいえるパーツだ。背面はNoctua製の120mmのファンを採用。CPUクーラーから出てきた熱風をそのままケース外へと排出してくれる

 ケースファンはすべて、この静音性に優れたNoctua製のファンを採用。背面には120㎜、前面には140mmの者を搭載し、騒音を抑えながらも空冷に十分な風量を確保しているというのが特徴だ。

前面には140mmと大きなファンを採用。もちろんNoctua製で、静音性にも優れている

 工夫されているのが、Silent-Master NEO B550Aの背面ファンの装着位置。サイドフローのCPUクーラーから出る熱風を、そのままケース外へと排出できるよう、高さがほぼ同じにそろえてあるのだ。これにより、CPUから出た熱をケース内へと拡散させることなく、素早くケース外へと逃がせるようになっている。

 熱を効率よく排出するにはしっかりとしたエアフローを考慮した組み立てが必要となるのだが、その点は問題ない。ケース内のケーブルは必要最小限に抑えられ、空気の流れをジャマするものがほとんどないようになっている。このあたりは、サイコムの長年の経験によるところが大きい。

ケーブルがほとんどないため、前面から取り入れられた空気はCPUとビデオカードへとしっかり届き、背面ファンで素早く排気される

 ビデオカードも騒音源の1つだが、Silent-Master NEOシリーズで選べる製品はセミファンレス仕様。高負荷時こそファンは高回転になるものの、熱の高くならない低負荷時は低回転、もしくは停止するというものだ。

 さすがにゲーム中など高負荷時は少し騒音が大きくなるが、通常利用であれば、高性能なビデオカードを搭載しているのに静かに使えるのがうれしい。

試用機に搭載されていたのは、GIGABYTEの「GeForce RTX 3060 Ti EAGLE OC 8G」。もちろんセミファンレスで、低負荷時にはファンの回転が止まる

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