YouTuberや生主など、ライブ配信をしているユーザーが今いちばん気になっているスマートフォンといえば、ソニーモバイルコミュニケーションズから発売された「Xperia PRO」です。Xperia PROは、ほかのスマートフォンにはない「HDMI入力端子」を装備。Xperia PROをデジタル一眼カメラやDVカムと組み合わせることでモニターとして使えて、さらにデジカメの高品質な映像でライブストリーミングが可能です。
5Gのミリ波に対応し電波受信状況も一目でわかる
Xperia PROのベースとなっているモデルは、昨年発売された「Xperia 1 II」。そのためディスプレーサイズやプロセッサー、カメラといったスペックや性能はXperia 1 IIと同等です。
性能として大きく違うポイントはふたつ。ひとつは5G通信の対応バンド。現状では一般的なサブ6(n77/n78/n79)に加えて、ミリ波(n257)にも対応。ミリ波はサブ6と比べて障害物などには弱く減衰しやすい性質ですが、帯域をサブ6よりも広く取れるため、より高速での通信が可能となっています。
ちなみにXperia PROには電波の受信状態を確認できるアプリ「Network Visualizer」が搭載されています。Network Visualizerを起動すると現在接続している通信規格を表示。Xperia PROには上下左右4ヵ所にミリ波のアンテナを搭載していますが、Network Visualizerでどの方向からのミリ波をキャッチしているか可視化できます。
モバイル通信でライブストリーミングをする場合、通信品質が画質などのクオリティーに大きく影響します。なのでNetwork Visualizerで通信状況を確認して、ベストな電波状況になるようにXperia PROの設置位置などを調整して、配信できるわけです。
撮影時の情報をより大画面かつ高精細でチェック
そしてもうひとつの特徴が冒頭でも紹介した「HDMI入力端子」の装備です。Xperia PROの本体底面にType-Cと並んで中央部分にHDMIマイクロ端子(タイプD)を配置。HDMI端子はキャップで覆われているので、使用時は開けてケーブルを接続します。
このHDMI入力端子の使い方は大きく分けてふたつ。ひとつは外部機器(デジカメなど)からの入力をモニタリングする機能。そして、もうひとつがHDMIから入力したソースを使ってライブストリーミングを行なう機能です。
前者の機能を使うには、まずHDMI出力機能を持ったデジタルカメラやDVカムとXperia PROをHDMIケーブルでつなぎます。次にXperia PROにインストールされている「外部モニター」を起動すればOK。デジタルカメラやDVカムが捉えている映像が、Xperia PROのディスプレーに映し出されます。
Xperia PROのディスプレーサイズは6.5型で、解像度は4K相当の3840×1644ドット。一般的なデジタルカメラに搭載されていディスプレーよりサイズが大きく高解像度なので、より細かい部分まで確認できます。さらに出荷前にすべての個体でカラーキャリブレーションが行なわれており、ソニー製のマスターモニターを基準とした発色となるよう調整されています。つまり、クリエイターの意図した色調を忠実に再現できるのです。
またスマホのようにピンチイン・アウトで拡大縮小にも対応。拡大して細かな部分までピントが合っているかどうかなど確認できるのもうれしいポイントです。
Xperia PROとデジタル一眼だけで
高画質なモバイルライブ配信ができる
Xperia PROのHDMI端子から入力した映像は、モニタリングだけでなく映像ソースとしてライブ配信が可能です。もちろん、Xperia PROに搭載されているカメラも非常に優秀なので、Xperia PRO単体でも配信できないわけではありません。
ですが、レンズ交換式のデジタルカメラのほうが搭載されているセンサーサイズが大きく、より高品質での撮影が可能。撮影状況に合わせてレンズを換えることもできます。またDVカムなどでは、光学式ズームが使えるのも便利です。
一般的にデジタルカメラなどを使ってライブ配信をする場合、パソコンを使いデジタルカメラなどと連携させる周辺機器を用意して(キャプチャーボードなど)、配信ツールをインストールし、通信環境を確保するなど、多くの機材や人員が必要でした。そのため屋外での配信は非常にハードルが高かったのです。それがXperia PROなら、Xperia PROとデジタルカメラやDVカムだけで実現できるわけです。