アスキー家事育児担当の盛田諒ですこんにちは。こなれた価格のルンバを探している方にいいお知らせです。アイロボットジャパンが2月17日、6万9800円のロボット掃除機「ルンバi3」を発表しました。上位機種の基本性能を備えながら、カメラセンサーが省かれた普及機。掃除が終わったときゴミを自動的に吸引する「クリーンベース」がついた「ルンバi3+」も9万9800円で登場しました。
ルンバi3+
2021年2月26日発売
実売価格 9万9800円
アイロボットジャパン
https://www.irobot-jp.com/product/i3/
●基本性能バッチリ、カメラは省略
新しい特徴はおしゃれなデザイン。つるっとしたブラックボディからさらさらしたファブリック調に変わり、部屋になじみやすくなりました。指紋やホコリがついても気にならず、お手入れの手間も減りそうです。天面のボタンは1つだけ。ボタンの周りはリング状のライトで、掃除が終わったときは青、充電中には白、エラーが起きたときは赤に光ります。
清掃性能は上位機種「ルンバi7」と同じで、Aeroforce 3段階クリーニングシステムを搭載。メインブラシはおなじみゴム製デュアルアクションブラシ。髪や毛がからみにくく、お手入れの手間が省けます。ゴミセンサーを備え、ゴミの多いところを識別して念入りに掃除する機能も備えます。
新機能としては斜め上に反応するバンパーセンサーを搭載。座面が低くなっていくソファの下にもぐりこんだとき、立ち往生してしまうことなくUターンして戻ってこられるようになりました。細かいですが大事な改善です。
もちろんアプリも使えて、「アレクサ掃除して」などスマートスピーカーを使った操作もできます。アプリは清掃履歴をもとに掃除の予約を提案してきたり、ユーザーにあわせたおすすめの清掃プログラムを提案します。アプリを通じて、拭き掃除ロボットのブラーバとも連携可能です。
そしてルンバi3+は、掃除が終わったら自動的にごみをブイーンと吸いこむクリーンベースがついてきます。内側の紙パックには最大60日間分のごみをためられて、同様の機能をもつルンバi7+を使っていたときは半年間ごみ捨ていらずでした。紙パックは花粉やカビを99%閉じこめる性能です。
一方、ルンバi7にあったカメラセンサーは省略されました。
一応マッピング機能はありますが、バンパー、ジャイロ、フロアトラッキングセンサーだけで地図を作る簡易的なもの。掃除中にバッテリーがなくなったとき、充電してから、ふたたび同じ場所から再開することはできます。カメラセンサー搭載モデルに比べるとエリア(稼働域)は狭く、複雑な間取りの家では掃除の抜け漏れが出そうです。マップから掃除するエリアや進入禁止エリアを指定するimprintスマートマッピング機能にも対応しません。
●松竹梅でいう「竹」
ルンバのラインナップは現在4万円台から18万円台まで大きな幅があり、ルンバi3は中間にあたります。
大きな違いは清掃できる間取り。上位機種は広くて複雑な間取りも対応できますが、マッピング機能のない下位機種は基本的に1部屋ずつ。上位機種になればマップをもとに掃除するエリア/掃除しないエリアを指定できて、基本的な清掃性能も上がり、クリーンベースもつけられるようになります。
逆に言うと「動けばいい」というくらいなら下位機種でも大丈夫。ただしルンバ671とルンバe5は吸引力が劣り、ルンバ671はアレルゲンカットフィルターがないのでペット不可です。
●ルンバのラインナップと主な違い
ルンバ671 4万3780円 マッピングなし 1部屋ずつ ペット不可
ルンバe5 4万9800円 マッピングなし 1部屋ずつ
ルンバi3 6万9800円 簡易マッピング 複数の部屋
ルンバi7 10万9868円 マッピングあり すべての部屋
ルンバs9 18万6780円 マッピングあり すべての部屋 すみまでキレイ
こうして見るとルンバi3はお手頃ですね。
一方、最近増えている中国系ブランドに比べると、ルンバはかなり割高。中国系にはカメラやレーザーセンサーの高度なマッピング機能を持ちながら3〜4万円台という機種もあり、機能だけ見ればルンバよりもお得です。私は実際3万円ちょいのEcovacsで満足しました(詳しくはこちら)。
ただし、ルンバは下位機種でも基本的な清掃能力(吸引力)がそれなりに高く、髪や毛がからみにくいゴムブラシなど、ユーザーに手間や面倒をかけない工夫が詰まっています。サポートにも不安はなく、お手入れなどの面倒なことを考えたくないという人は多少高くてもルンバがおすすめ。ロボット業界におけるiPhoneのようなもので、とりあえずこれ買っとけば安心という1台です。
ルンバi3は松竹梅で言う「竹」。ルンバの新しいスタンダードモデルで、スマホでいえばiPhone、ロボット掃除機なら一番普通のものが欲しいという人には安心しておすすめできそうです。
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。3歳児くんの保護者です。Facebookでおたより募集中。
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