武田良太総務大臣は15日の記者会見において、KDDIが13日に発表した20GBで2480円の新料金プラン「povo」について問われ、「紛らわしい発表」とするとともに、どういう条件で2480円なのかわかりやすく説明することを求めた。
記者会見における記者と大臣の質疑の内容は以下のとおり。
――KDDIが20GBで2480円の新プランを発表した。KDDI側は最安値をうたっているが、通話料金を含めると実質、ドコモ/ソフトバンクの新料金プランと横並びになります。この最安値という表示方法についての大臣の考えと、携帯電話料金が横並びになっていることへの受け止めを教えてほしい。
ご指摘の通りに私は非常に紛らわしい発表だと思う。消費者庁とも交えた中で、利用者がわかりやすい、選択しやすいやり方を求めてきた。最安値と言いながら、他社と結局同じ値段であったということについては、もっとわかりやすいやり方をしっかりと考えていただきたいというのが私の気持ち。
通話料が含まれていない、それによって2480円なのか、同じ条件で2480円なのか、そこをハッキリしないまま、国民に対して、他社より一番安い2480円なのか、すべて同じ条件と思わせるやり方に関しては非常に残念だなと考えている。
以前から申し上げているように、選択しやすい、わかりやすい説明のやり方をしっかりやっていただきたい。利用者が契約したとき、条件が違うじゃないかというトラブルが起こらないよう、あらかじめしっかりていねいな説明をして、無用なトラブルが起こらない状況を作り上げていくことを期待したい。
――新料金が大手3社から出揃った。大臣から見て残された課題は? 広告表現のわかりやすさの部分なのか。
一番大事なのは利用者自身が今使っているものが、求めているプランなのか、あらかじめ自己検証していただくことが重要だと考えている。
その上で、低廉なプランがどんどん出てきて、競争は健全されてきたが、ただ単に最低価格で宣伝するのではなく、価格の内訳に対しても利用者が納得できる条件をハッキリして示していただきたい。事業者にとっていいことばかり示すのではなく、その内訳をわかりやすく利用者に指し示していただくことが重要になると思う。
新料金プラン「povo」の発表、および武田大臣の回答に関連して、以下のような論点を挙げることができるだろう。
・利用者へのわかりやすい説明が必要なのは間違いないが、テレビCMや広告といった限られた時間やスペースで、どのようなユーザーを前提にどこまでわかりやすく説明することが必要なのだろうか。
・「20GBで2980円」「20GBで2480円」という比較だけでは、条件の違いがわからないが、通話定額部分を外して安くするといった、他社とは異なる工夫こそ事業者間の競争の産物と言える(「最安値」という表現について、KDDI側はニュースリリースなどでは押し出していないが、質疑応答では触れている)。
・povoがメインターゲットとしている若年層において、電話番号による通話の機会は減少しており、通話定額部分のオプション化を歓迎するユーザーは相当数いると思われる。実際にネット上などでも好意的な受け止めは多かった。
・(時間制限無しのかけ放題ではなく)「1回5分以内の通話料を含む」が、「通話料は別、またはオプションでかけ放題」と比較して、わかりやすいサービスなのだろうか。