サイボウズはkintone(キントーン)初のテレビCMの制作を発表。24日に行なわれたCM制作発表会には、サイボウズの青野慶久社長とテレビCMに出演した女優の木村文乃さんが登壇し、テレビCMの魅力や情報共有の大切さを披露した。
エンタメ性の高いテレビCMで9年目のキントーンがお茶の間デビュー
今回制作されたテレビCMは全4篇で各15秒。日々の業務で使っている“ヒョウケイさん(表計算)”が思い通りにならず、悩んでいるビジネスパーソンの元に、サイに乗った坊主“サイ坊主”が登場。サイ坊主が「あの雲に乗りなさい」とキントーンを呼び出すと、木村さんの扮するキントーンの女神が黄色い雲に乗って登場し、ビジネスパーソンを乗せていくというもの。
ヒョウケイさんに対する悩みは、「開かない」「重くて使えない」「最新版がわからない」などさまざまだが、キントーンの乗り心地を聞かれ、快適そうにビジネスパーソンたちが「どクラウドです!」と答える部分は4篇とも共通している。黄色い雲はキントーン、サイ坊主はもちろんサイボウズをイメージ。表記も普段と異なったカタカナになっており、とにかく幅広い層に認知度を上げようという意思が伝わる。
監督はエンタメ性の高いテレビCMを数々手がけてきた東北新社副社長/CMディレクター中島 信也氏が担当。過去、西田尚美さんがワーママを演じる「大丈夫」というメッセージ性の高いムービーを手がけた経験もある中島氏だが、今回は子供を含めた多くの視聴者でも楽しめるようエンタメ要素を強く盛り込んだのが特徴。コミカルで、キャッチーで、インパクトの強いCMと言える。
木村さんの声に応える「差し入れ管理アプリ」を披露
CM発表会に登壇したサイボウズの青野慶久社長は、物議を醸した「がんばるな、ニッポン」のテレビCMを振り返り、「テレワークがんばりましょうというメッセージだったが、現場からは評価されつつ、経営者からはひんしゅくを買いました」とコメント。
続いて、キントーンの説明。サービス開始9年間でユーザーは1万8000社に達し、今年は大阪府、神奈川県など自治体での導入も増えた。全体の82%が現場ユーザーという点も特徴的だ。「まさにど真ん中のクラウドサービスになった」と、テレビCMの決め台詞となった「どクラウド」ぶりをアピールした。
今回のテレビCMは、表計算ソフト(=ヒョウケイさん)の課題がテーマとなっている。現在、ビジネスシーンでは表計算ソフトが欠かせないが、誰でも使える一方で、ファイルが重すぎる、ファイルが壊れて開けない、誤って上書きした、最新版がわからないなどのトラブルがある。テレビCMでは、こうした課題の大きな表計算ソフトと解決ツールとしてのキントーンを擬人化することで、幅広い層へのクラウドへのアピールを狙っている。
黄色い雲に乗って颯爽と現れるキントーンの女神様を演じるのは女優の木村文乃さん。青野氏が「現場で共有している情報」について聞くと、木村さんは「現場に差し入れすることが多いので、いつどんなものを持っていくかは細かくやりとりしていますね。でも、ちょっとのニュアンスの違いで、わからなくなってしまうので大変」と語る。
この話を聞いていた青野氏はサイボウズチームで作ったキントーンの「差し入れ管理アプリ」を披露。これは差し入れ候補の商品や店舗情報をまとめて登録しておき、関係者でコミュニケーションできるというもので、実際に便利そう。青野氏が「ばらばらになりがちな情報が一つにまとめられる。お金を払ってプロの人にやってもらわなくても、お店へのリンクを自分で簡単に追加できます」とアピールすると、木村さんは「すごい!簡単なんですね。人も時間もかなり短縮できますね」と驚く。
仕事における悩みやストレスを解消する方法について聞かれた木村さんは、「ちょっとしたニュアンスや食い違いでいろいろなことがうまくいかなくなるし、ミスが許されない時代でもある。でも自分たちが使いたいアプリを1つ作るだけで、全員が共有できるのはすごく大事。これからは仕事のストレス具合がキントーンによって変わってくると思う」とキントーンについて語った。
木村さんは「とことん世界観にこだわった素敵なCMになりましたので、ぜひ楽しんでご覧ください」とコメント。テレビCMは関東圏が放送エリアで、2020年12月25日から順次放送される。「どクラウド」のメッセージがどこまでお茶の間に届くのか、注目したいところだ。