楽天モバイルと楽天ヴィッセル神戸は12月3日、第5世代移動通信システム(5G)のミリ波を活用した新しい試合観戦体験の実証実験に成功したと発表した。
本実証実験は、ノエビアスタジアム神戸において、11月15日と11月18日に実施したもの。実験内容は「ARを用いた統計&リアルタイム追跡データ表示」、「ARを用いた多人数参加型ゲーム実施」、「試合開始前のマルチアングル映像による低遅延視聴」の3つ。
ARを用いた統計&リアルタイム追跡データ表示では、試合中に観客席から、専用アプリを搭載したスマホをピッチにかざして操作すると、Jリーグ公式の統計データ(J STATS)を活用した選手の基本情報や位置、シュート数、ボール支配率、オフサイドラインの位置などの情報を、リアルタイムで重ね合わせて表示できることを確認した。
今後は、現実のサッカープレーにスタッツ情報や試合データなどを重ね合わせて表示するなど、AR技術を用いた新しい観戦体験の実現を目指すとしている。
ARを用いた多人数参加型ゲーム実施では、専用アプリを搭載したスマホをピッチにかざし操作することで、来場者同士が対戦できるサッカーゲームの稼働を確認した。ゲーム内容は、2チームに分かれて、スマホの画面上に登場した楽天の公式キャラクター「お買いものパンダ」を操作し、ゴールを目指して点数を競い合うというもの。
異なるデバイスから同一のゲームシーンを共有できるよう、ARクラウド技術を用いたもので、今回の結果を試合の前後やハーフタイム中に実施する新しいエンターテインメントコンテンツの創出につなげていくとしている。
試合開始前のマルチアングル映像による低遅延視聴では、試合開始前に、観客席からスタジアムの様子を観覧しながら、専用ウェブサイトでリアルタイムにマルチアングル(多視点)でスタジアムの映像を視聴できることを確認した。
スタジアムに設置した複数のカメラで撮影する映像をストリーミング配信することで、座席位置からは見えづらい場所をウェブサイト上からマルチアングルで視聴できるため、スタジアムで開催されるイベントやコンサートなどでの活用を想定しているとのこと。