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治療用アプリ・デジタル療法の保険収載は国内初

保険適用のニコチン依存症治療アプリ「CureApp SC」販売開始

2020年12月03日 18時00分更新

文● ASCII

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ニコチン依存症治療アプリ「CureApp SC」を販売開始

 医療系ITベンチャーのCureAppは12月1日、ニコチン依存症を対象とした治療用アプリである「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」が、薬価収載され保険適用の対象機器になったと発表。同日より販売を開始した。

 本製品は、8月に薬事承認を得て、12月1日に保険収載された。治療用アプリ・デジタル療法の保険収載は国内で初めての事例となり、禁煙治療領域に限っては世界で初としている。

 医療機関の禁煙外来にて、ニコチン依存症と診断された患者に医師がCureApp SCを処方した場合、患者は保険適用で(3割負担など)本製品を利用できる。本製品は、いつも身近にあるというスマホの特性を活かし、ニコチン依存症における心理的依存にアプローチするもの。診療以外の時間にも患者の禁煙継続のために医学的に正しい介入を行ない、およそ600名を対象とした治験(臨床試験)でも効果が認められたという。

 なお、本製品の保険点数は準用技術料として「在宅療養指導管理料のC110-2の導入期加算を準用して算定 140点(1400円)」と「在宅療養指導管理材料加算のC167を準用(4回分)して算定 2400点(2万4000円)」が算定され、合計で2540点(2万5400円)となる。

 CureApp SCは、禁煙外来で治療を受ける患者様の院外での治療補助をするために医師から処方される医療機器で、患者アプリ・医師アプリ・COチェッカーの3つから成り立つ。

 患者アプリは、個々の患者の治療状況や体調などに合わせて個別化したガイダンスを適時提供。在宅や勤務中など医療者の介入が難しい「治療空白」期間をアプリが支援することで、禁煙継続率を向上させる。また、患者用アプリへの入力内容から前回の診察以降の患者の日常の様子を医師が詳細に把握することできるため、より効率的で質の高い禁煙治療を可能にするという。

 疾患治療のために医師が患者へ処方する治療用アプリは、新しい治療法(デジタル療法)として、すでに欧米で国の承認を得て保険償還されるかたちで実際に患者へ処方され始めている。CureApp SCも治験によって安全性と有効性が確認されており、薬事承認取得および今回の保険収載に至った。

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