業務を変えるkintoneユーザー事例 第95回
各地のkintone hiveで勝ち残った6社が集結 熱い事例が満載
会社の課題をkintoneで解決した6社のプレゼンイベント「kintone AWARD 2020」レポート
2020年12月01日 09時00分更新
大変な思いをしている仲間を助けたいからkintoneアプリを作成した
ラストは九州・沖縄地区から株式会社現場サポートの永田亮介氏。現場サポートは鹿児島で2005年に設立されたIT企業。建設業向けのクラウドサービスの企画・開発・サポートなどを行っている。永田氏は6年前に入社したが、すでにkintoneは導入されていたという。そのkintoneを利用して業務改善をしてきたが、その中からもっとも思い出深い事例を紹介してくれた。
「建設業界の働き方改革をサポートするためには、我々が体現すべきではないかということで、働き方や制度を見直し、毎年のように改善してきました。その結果、有休取得日数は年間16日以上、残業も月平均8.5時間となりました」(永田氏)
しかし、この働き方改革を進めることで落とし穴に落ちたという。様々な働き方が導入され、勤怠管理が複雑化してしまったのだ。有給やフレックス制度を利用する場合は、サイボウズOfficeの掲示板で報告し、それを勤怠管理のExcelに勤怠状況を入力していた。
本来は毎日入力するべきなのに、月末にまとめて入力する人がたくさん出てきた。当時、申請した内容を忘れ、思い込みでコピー&ペーストしてしまうのだ。そうすると、業務連絡の掲示板と勤怠管理のExcelにずれが出てしまう。そのため、毎月、月締めしてからチェックを行う必要がある。このチェックには15分ほどかかるうえ、自分だけでなく、上長と総務の計3回のチェックが必要になる。
全社員50名分なので、最低でも月に37時間以上、年間450時間以上もチェック業務にかかっていたのだ。1日8時間労働として、従業員1人の約3ヶ月分です。
「その中で一番大変な思いをしていたのが、総務部長の坂口さんです。坂口さんは一日中Excelを見ていると目がぼやけてくるみたいなんです。働きやすくなった社員が喜んでいる中で、大変な社員がいるのをなんとかしてあげたいと思いました」(永田氏)
勤怠管理システムをkintoneに移行するという話は以前から出ていたそうだが、エンジニアのリソースを割く余裕がなかった。当時、サポートセンターにいた永田氏は、勝手に勤怠管理アプリの作成に着手した。
複雑なルールやExcelの計算式をひとつずつ洗い出して、kintoneアプリに移行した。しかし、移行するだけでは状況は改善されなかった。集計は楽になったが、チェックする対象はExcelからkintoneになっただけだったからだ。
悩んだ結果、永田氏は業務連絡もサイボウズOfficeからkintoneに移行することにした。勤怠管理アプリにチェック機能を作り、業務連絡アプリからデータを取得して比較できるようにしたのだ。これで、15分かかっていたチェック作業が1秒で済むようになった。
「実はこの勤怠管理アプリを作成している時、「会社を辞めよう」と思っていました。私は物を作ることが大好きですが、その道に繋がっていないように見えた当時は精神的に苦しんでいました。それでも、まだ私はこの会社で働いています。このアプリの活用が始まると「おかげで凄く楽になった、ありがとう」と坂口さんをはじめ多くの仲間達から感謝されました。開発部に配属されなくても、kintoneがあればみんなの役に立つことができるんだと気づいたのです。このことが私を元気にしてくれました。これからもkintoneを通じて多くの人の役に立ちたいと思います」(永田氏)
kintone AWARD 2020のグランプリは東京ドームが獲得!
プレゼンが終了すると、投票が行われた。kintone AWARD 2020のグランプリを獲得したのは、東京ドームとなった。
「2年前はそっち(客席)側にいて見ていました。こんな素敵な景色が見られたのは、2年間頑張ってきた結果だと思います。これからも一生懸命やっていきたいと思っています」と望月氏は感謝の言葉を述べた。
コロナ禍においてのリアルイベントだったが、ものすごい熱量のプレゼンを間近で見られたのはいい体験だった。kintoneを導入したい、もしくは活用したいと思っている企業は是非来年のkintone hiveとサイボウズデイズをチェックすることをオススメする。
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