ウェアラブルロボット「METCALF(メカフ)」で知られ、アスキーでも連載をかかえるロボティクスファッションクリエイターきゅんくんが、初の個展「継往開来(けいおうかいらい)」を2021年7月2日(金)〜7月14日(水)、東京・新宿眼科画廊で開催する。
きゅんくんは2014年からファッションとして着用するウェアラブルロボット作品を作ってきた、1994年生まれのロボティクスファッションクリエイター / メカエンジニア。2014年のサウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)展示を皮切りに、2015年には「Ars Electronica Gala」に招待出演、2016年には「日経ビジネス」の表紙を飾り、AKB48単独公演では作品「METCALF stage」を衣装として3台稼働させた実績がある。
個展タイトルにあてた「継往開来」とは、先人の事業を受け継ぎ、発展させながら未来を切り開くという意味。2020年夏に開催を予定しながら中止となった2人展「NOWPLAYING」を経て、作品としてのウェアラブルロボットの継続、研究としてのウェアラブルロボットの始動という2つの意味を持つ個展になるという。
ウェアラブルロボットはただサイバネティックな見た目がカッコいいというだけではなく、人間とロボットの距離を限りなく近づけることで、ロボットが人間に与える影響の評価を目的とした調査用機材でもある。私たちはすでにAIやアルゴリズムという形でロボットと暮らしているが、物体的な意味でのロボットも徐々に日常的な存在になりはじめている。これから私たちの思考や感情、世界はどう変わっていくのか。そのヒントがこの個展で見つかりそうだ。
●きゅんくんからのコメント
2014年よりファッションとして着用するウェアラブルロボットを作品として作っていました。展示でお客さんに着用していただいて、感想をもらっているうちに、その感想が自分のものだけになってしまうのがもったいないと思うようになりました。ウェアラブルロボットを研究すれば、感想ではなく研究結果として多くの人にシェアでき、続く人のためになる。そこで、社会人学生として修士課程に入学し、研究を始めることにしました。
継往開来(けいおうかいらい)とは先人の事業を受け継ぎ、発展させながら未来を切り開く、という意味です(小学館 大辞泉)。研究も作品も、過去の偉業を受け止めた上で新しい未来を切り開くものだと考えています。さらに、昨年行われなかった2人展「NOWPLAYING」においても、受け継ぎたいこと、受け継ぐべきことがありました。やるはずだった「NOWPLAYING」のタイトルのように、私にとってこの展示は継続と始動の意味を持ちます。引継ぎ、発展させる、それを表した今、タイトルは「継往開来」です。
2016年よりエンジニアリングに専念する時間を作り、2018年より研究を始め、次はそれらの経験を作品に還元する段となりました。暫しお付き合いください。
●プロフィール──きゅんくん
1994年東京都出身。
ロボティクスファッションクリエイター / メカエンジニア
高校生の頃に「メカを着ること」を目標にロボティクスファッションの制作を始めた。「人間とメカがゼロ距離で近づいた際に人は何を思い感じるのか?」を明らかにするため、2014年よりファッションとしてのウェアラブルロボットの開発を開始。2018年よりウェアラブルロボットと人のインタラクションについて深めるため修士課程に進学。修了後もATRの連携研究員として、ウェアラブルロボットと人のインタラクションの研究を進めている。DMM.make AKIBAスタートラインメンバー。
Web: http://kyunkun.com
Twitter: https://twitter.com/kyun_kun
●きゅんくん初個展「継往開来」開催概要
<会期>7月2日(金)~14日(水)12:00~20:00
水曜17時まで・木曜休廊
<会場>新宿眼科画廊 スペースM、S、E
〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目18−11 タナカビル
https://www.gankagarou.com