仮想通貨(暗号資産)ビットコインの価格が、過去最高値に迫っている。
インベスティング・ドットコム日本版によれば、2020年11月24日のビットコインの終値は197万円を超えた。
仮想通貨やFX(外国為替証拠金取引)取引に使うチャートサービスTrading Viewで過去5年間の仮想通貨の値動きを見ると、2つの高い山がある。
1つ目の山は2017年末だ。仮想通貨バブルとも呼ばれた状況で、ビットコインの価格は一時、220万円を超えた。2つ目の山は、2020年11月末だ。
仮想通貨を巡っては、ずっと期待と幻滅が交錯しているが、投資家のすそ野が広がり、取引の環境も整ってきたことで、「今度こそ本物」との声も出ているようだ。
●ペイパル参入が節目
今回の上昇局面の節目となったと見られているのは、決済サービス大手ペイパル(PayPal)の参入だ。
ペイパルは10月21日、米国内のアカウント保有者がペイパルから直接仮想通貨を売買、保有できるサービスを始めたと発表した。
ペイパルが取り扱っているのは、ビットコイン、イーサリアム、ビットコイン、ライトコインの4種類。2021年初には、ペイパルのサービスを利用している全世界約2600万事業者で仮想通貨で買い物ができるようになるとしている。
この発表以降、仮想通貨は上昇局面が続いている。ペイパルが新サービスの稼働にあわせて仮想通貨を大量に購入したことも、上昇の要因のひとつと分析されている。
これまで投資を目的とした仮想通貨の取引は活発だったが、決済用の「通貨」としての機能は限定的だった。
日本の金融庁が仮想通貨から暗号資産に呼び名を変えたのは、決済機能が未成熟だったことも影響した。
ペイパルが4種類の仮想通貨による買い物を実装すれば、決済の機能が大幅に向上することになる。
クレジットカード世界最大手のマスターカードやVISAも、仮想通貨関連企業との連携を強めている。
●機関投資家が増えた模様
11月24日付のウォールストリート・ジャーナルは、仮想通貨の投資家のすそ野が広がってきたと指摘する。
2017年の仮想通貨バブルのころは、大手の機関投資家は様子見が多数派とみられていた。
しかし、米証券取引委員会などの仮想通貨の取引に関するルールが確立し、大手の機関投資家も資産の一部を仮想通貨で保有するようになった。
11月24日付の英ガーディアンが報じたように、世界的な新型コロナウイルス感染症の大流行がビットコインの再評価につながったとの見方もある。
コロナ禍が継続する中、米ドルは下落傾向にあるが、ドルの代わりに仮想通貨を保有する投資家も少なくないと考えられている。

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